ホールセンサー一体型プローブを用いた高温超伝導体のSTM観察
Project/Area Number |
07750740
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅原 宏治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40270889)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 走査型トンネル顕微鏡 / 走査型プローブ顕微鏡 / ホール素子 / 表面磁場分布 / 量子化磁束 |
Research Abstract |
酸化物高温超伝導体は、エネルギー損失の小さい電子・電力デバイスの材料として期待される。しかし、その臨界電流密度は温度の上昇に伴い急速に減少し、実用化を図るうえで大きな障害となっている。この理由は、これら材料では、金属伝導層領域の存在という構造上の特異性などから、量子化磁束をピン止めする力が急激に弱くなり超伝導状態が維持できなくなるためであると解釈されるようになってきた。本研究では、実用上想定される数テスラ程度の磁場を印加した状態で、試料表面における局所的な電子状態および局所磁束密度分布を観察し、混合状態における量子磁束のピニングを解明することを目指した。 表面状態と局所磁場分布を同時観察するために新しい走査型プローブ顕微鏡を開発した。ホール素子と電気伝導性深針を同一基板上に一体化したプローブを電子線描画装置を用いて作製した。深針と基板表面との間に流れるトンネル電流を検出して、通常の走査型トンネル顕微鏡と同様な負帰還制御を行うことによって、表面の凹凸を検知すると同時に、プローブを試料表面にできるだけ接近させることができる。 顕微鏡の性能は、高温超伝導体の表面で単一の量子化磁束を観測できることを目標に設計した。量子化磁束近傍の物理を議論するためには、超伝導体の表面から数百nm離れた位置で、10gaussの磁場の変化を1μm以下の空間分解能で検出することが必要である。 開発した顕微鏡の性能を確認するため、表面形状と磁場分布が判明している磁場記憶メディアの試料表面を観測した。その結果、上に示した仕様通りの性能を示すことを確認した。以上の研究から、今後、磁場を印加しながら測定を行うための基礎的な測定手段を得ることができた。
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Report
(1 results)
Research Products
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