Research Abstract |
1.はじめに,〔Ti,AlB_<12>〕および〔Ti,AlB_2〕系混合粉末を用い,燃焼合成反応によってTiB_2粒子分散アルミニウム合金を製造するとともに,その組織に及ぼす製造プロセスの影響を測定し,以下に示す結果を得た. (1)〔Ti,AlB_<12>〕混合粉末から作成した圧粉体をアルゴンガス中でアーク放電加熱して合成した試料は,反応が激しいためにTiB_2の焼結体のような組織しか得られなかった. (2)〔Ti,AlB_<12>〕混合粉末層中にチタン,アルミニウム粉末を添加して,反応熱の希釈を試みた結果,チタン,アルミニウムで希釈した試料に関しては,TiB_2粒子の分散合金を得ることが可能となった. (3)〔Ti,AlB_2〕系混合粉末において,チタン粉末を用いて希釈すると生成するTiB_2粒子の粒径は減少した. 2.続いて,TiB_2粒子分散合金を母合金として,溶融アルミニウム中へのTiB_2粒子の分散を試み,凝固結晶粒微細化能を測定し,以下に示す結果を得た. (1)燃焼合成体の溶融アルミニウム中への分散を試みた結果,反応熱の希釈材としてアルミニウムを使用した系では良好なTiB_2の分散は得られなかった.しかしながら,チタンを用いて希釈した系では,粒径数μmからサブμmオーダーのTiB_2粒子が均一に分散した. (2)燃焼合成による結晶粒微細化用母合金を溶融アルミニウムに添加して凝固結晶粒のサイズを測定した結果,チタンを希釈材として添加した試料では,アルミニウムを用いた試料と比較して,より良好な結晶粒微細化能が発現した.
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