鉄アルミナイド中の侵入型元素の濃度変化とそれらが及ぼす機械的性質への影響
Project/Area Number |
07750774
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural/Functional materials
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉見 享祐 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80230803)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 金属間化合物 / 鉄アルミナイド / 単結晶 / 歪み時効 |
Research Abstract |
本研究では、鉄アルミナイド中の侵入型元素の濃度変化とそれらが及ぼす機械的性質への影響を明らかにする目的で、高純度鉄アルミニウムの作成と単結晶を使って歪み時効に注目しながらその力学特性を調査した。高純度鉄アルミナイドの作成に対しては、原料となる鉄とアルミニウムをこれまで報告者が用いてきた99.99mass%のものに加えて、99.999mass%高純度鉄と99.9999mass%高純度アルミニウムを用いてアーク溶解法によって熔製したほか、Bridgman法と浮遊帯溶融法による高純度化の実験も行った。その結果、次の点が明らかになった。アーク溶解直後の濃度変化は現在のところ詳細に調査中であるが、その後にBridgman法および浮遊帯溶融法を行った場合の置換型不純物元素濃度は、高純度化を試みているにも関わらず原料と大きな差異はなく、またアーク熔解時に混入したであろうと思われる一部元素の濃度増加も見られた。一方侵入型元素については、窒素、酸素は原料に対してかなり低減されていた。ところが炭素は試料によって多少の差はありつつも、一様に増加していることが確認された。これは、アーク熔解準備中に様々な形で混入した汚れによるものであると考えられるが、このような炭素の存在は、脱酸、脱窒にはむしろ効果的であったと考えられ、高純度鉄アルミナイドの作成には炭素濃度の制御が重要であることが示された。また水素濃度も、原料とほぼ同程度であった。一方報告者らは、鉄アルミナイドは大気中の水分と反応して水素濃度が高まることを見出しているが、この水素濃度の増加は極めて表面近傍の現象であることが示唆された。次に、単結晶を用いた力学特性の調査結果であるが、炭素濃度の異なる2種類の結晶について圧縮試験、歪み速度急変試験、応力緩和試験などを試みた。その結果、降伏応力の温度依存性に対し炭素濃度の差はほとんど見られず、また低炭素材では変形中のセレーションは見られたものの静的歪み時効現象は発現せず、鉄アルミナイドの降伏強度の逆温度依存性発現機構が、歪み時効によるものではないことが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)