Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
本研究費により,本計画の中心装置であるレーザー変位計を用いた自動記録型熱天秤装置の新規作製を完了した.装置の測定精度は,従来品と同等以上であった.以下に,本計画全体の結果を示す. 1.溶融塩電析とレーザー溶融法による高温耐食性表面の作製について 母金属には10mm×10mm×1mmに切りだした純Niを用いた.この試料を800℃の2mol%YCl_3-49mol%Nacl-49mol%KCl溶融塩中で,炭素棒を対極としてカソード定電位電解し,表面にYを電析させた.電析電位-2.0V(vs.Ag/Agcl(0.1)),電析時間30分の条件で電析させたYは,金属Niとの相互拡散によりNi-Y系金属間化合物(Ni_3Y,Ni_5Y)を形成した.この皮膜は100μm以上の厚さを持つ一様な皮膜であり,下地Niとの密着性は非常に良好であった.電析後の試料は,CO_2ガスレーザー(PSI社製,出力500W,ビーム走査速度95mm/sec)で表面溶融させた. 2.Y電析試料の高温耐食性 純Ni,Y電析Ni,およびレーザー照射後のY電析Ni試料を,1000℃の純酸素雰囲気中で16時間高温酸化し,新規作製した熱天秤により質量変化を測定した.その結果,純Niに対し,Yを電析させた試料の酸化増量は3倍程度大きくなった.これは,電析過程によりNi-Y系金属間化合物が形成され,Niに対するYの比率が大きくなり,いわゆるYのキ-イング効果が現れずむしろYの強い酸素との親和力が発揮されたためと思われる.それに対し,レーザー溶融処理したY電析Niの酸化増量は純Niよりもわずかに小さくなった.これはレーザー溶融処理過程ですでにY_2O_3が熱処理層中に現れ,下地金属を保護する役割を果たしたためと考えられる. 以上のように,本研究費による実験は滞りなく完了し,若干の新しい知見が得られた.
|