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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
吸収式冷温水機の小型化を目的として、現在の大型機で吸収液として用いられている濃厚LiBr水溶液より高性能な新吸収液として、濃厚混合リチウム塩水溶液の開発が進められている。この混合塩の最適組成は、モル比でLiBr : Lil : LiCl : LiNO_3=100 : 75 : 41 ; 25と報告されている。本年度はこの新液中におけるSUS304鋼の耐すきま腐食性について検討した。150℃の60%混合Li塩水溶液中でSUS304鋼のすきま再生不動態化電位E_<R,CREV>を測定し、E_<R,CREV>=-160mVが得られた。E_<R,CREV>はすきま腐食の臨界電位であり、これと当該環境における不動態化鋼の自然電位とを照合することにより、すきま腐食の可能性の有無を判断できる。新液に含まれるはNO_3^-、および1^-が酸化して生成するl_2は鉄鋼材料に対しては酸化剤としても働く。新液にすきま試片を自然浸漬したところ、浸漬直後に自然電位はE_<R,CREV>を超えてすきま腐食が起こり、その後の自然電位はE_<R,CREV>付近の値を保った。20h後にはすきま面に最大深さ40μmの浸食がみられた。一方、l_2はNaHSO_3の添加により容易にl^-に還元することができた。NaHSO_3を添加してl_2を完全に還元し、さらにわずかでも過剰NaHSO_3が含まれる液では自然電位はE_<R,CREV>以下の電位におちつき、すきま腐食は起こらなかった。このように、NaHSO_3を添加してl_2を還元した新液中では、SUS304鋼はE_<R,CREV>以下の電位で不動態化し、使用可能であることがわかった。
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