Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
酸化物分散強化金属の製造に酸化物固溶体の還元を利用するという全く新しい製造方法の可能性を検討するために,本年度はモデルケースとしてNiO-MgO全率固溶体のCO還元を行い,還元挙動と還元機構ならびにMgO含有還元ニッケルの観察を行った.さらに,従来行ってきたH_2還元の結果との比較を行った. 0%試料に比較して,還元速度はMgO固溶量の増加と還元温度の減少とともに著しく減少し,また炭素析出の問題から高MgO固溶体の還元には1273K以上の温度を必要とした.さらに,CO還元速度はH_2還元速度よりも小く,100%還元には1273Kで3.6ksの還元時間を必要とした.還元はマクロ的に未反応核を形成しながら進行したことから,未反応核モデルにより還元機構を検討した.その結果,化学反応速度定数が2.5%MgOで最大値をとった後,MgO固溶量の増加とともに減少したのが特徴的であった.この現象はMgOによる固溶体の不活性化のみならず,生成物の気孔構造にも依存した結果と思われる. 1273Kで得られた還元ニッケル中には,平均粒子径約20nm,複雑形状のMgO粒子が観察され,この結果はH_2還元とほぼ同様であった.ただし,還元温度が1373Kに上昇した場合,粒子径は若干増加する傾向にあった.したがって,本実験で得られたMgO含有ニッケルは,従来の製造方法で得られたそれよりもかなり微細な粒子が分散しており,本研究で提案された新しい製法が適用可能であることを示した. 今後は,FeO-MgO,FeO-CaOなどの他の系でこの製法の可能性を検討する予定であり,一方,MgO含有金属のち密な焼結体の作製,焼結体の作製条件および焼結機構などの検討,そしてち密なMgO含有金属の性能評価を行う予定である.
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