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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
希薄金属水溶液からの金属回収プロセスとして、近年、物質分離樹脂を用いたカラム操作が注目を浴びている。しかし、これまで開発されてきた分離樹脂は、選択性が低い或いは高価であるため、安価な高い物質選択性を有した分離樹脂の開発が望まれている。昨年度、逆抽出溶液を芯物質とし、そのマイクロカプセル膜細孔部に抽出試薬を含浸させた疑似液膜型抽出マイクロカプセルを、界面重合と液中乾燥法からなる複合プロセスにより調製した。抽出試薬および逆抽出溶液として3級アミンであるTOAおよび純水、金属イオンとしてZn(II),Cu(II)を使用し、その物質分離機能を検討した。 本研究では、桜島からの噴出物であるシラスや火山灰に微量ながら含有されている希少金属の回収プロセスの構築を目的に、シラスから浸出させた金属水溶液からの分離回収特性を検討した。 シラスを構成する金属元素分析を行った結果、Al,Fe,Mgと希少金属であるTiを含有してることがわかった。種々の液温、浸出液などの操作条件の浸出率に与える影響を検討した結果、浸出液として塩酸を使用し、高温で操作するとその浸出率は向上することが明らかとなった。さらに、高濃度液を使用することで、浸出速度も迅速になった。次に、Al,Fe,MgとTiの各単独水溶液とそれらの混合水溶液をシラス浸出模擬液として使用し、昨年度調製に成功したTOA含浸マイクロカプセルにより抽出実験を行った。その結果、これら4種の金属のうちFeだけを選択的に抽出することがわかった。さらに抽出試薬として有機リン酸系抽出試薬であるD2EHPAを含浸させたマイクロカプセルを調製し抽出実験を行った結果、塩酸酸性水溶液中からはTiのみを、硫酸酸性水溶液ではAlだけを抽出することが可能であった。以上の検討結果から、3段攪拌槽装置(第1槽:TOA含浸マイクロカプセル、第2槽および第3槽:D2EHPA含浸マイクロカプセル、第2槽と第3槽の間に硫酸添加)にAl,Fe,MgおよびTiの4元系混合水溶液を通液することで、順次、Fe,Ti,Al,Mgを分離・回収できるプロセスを構築することができた。
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