Project/Area Number |
07750855
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
反応・分離工学
|
Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
上宮 成之 成蹊大学, 工学部, 助手 (60221800)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | パラジウム / ルテニウム / 白金 / 無機多孔質膜 / 水素 / 複合膜 / CVD / メンブレンリアクター |
Research Abstract |
本研究では、流動層型メンブレンリアクターに着目し、それに組み込み可能な水素分離膜の調製を行なった。VIII族金属は水素の溶解・拡散が可能で、かつ耐熱性を有するため、メンブレンリアクターへの適用が期待できる。そこで、CVD法により管状の多孔質アルミナ(外径:10mm、内径:7mm)上にVIII族金属薄膜を析出させ、機械的強度を失うことなく薄膜化することを試みた。各種VIII族金属のアセチルアセトナト錯体を昇華させ、それを窒素を同伴ガスとして、膜調製用反応器内に導入した。支持体の管内中央部に設置した熱源により加熱し、錯体を熱分解することで金属を析出させた。パラジウム、ルテニウム及び白金の錯体の昇華温度は、それぞれ433,473,473 Kが、分解温度は573,523,493 Kが最適であることがわかった。また、ほぼ水素のみ透過する膜を作製するには、パラジウムで24時間、ルテニウムでは14時間、白金では20時間のCVDが必要であった。これらの金属の中では、パラジウム膜が最も優れた水素透過能を示し、白金膜の約3倍の水素透過速度を示した。なお、パラジウム膜の水素透過性能は、膜厚4.5μmの無電解めっき法で調製した複合膜に比べ、673 Kで1.6倍の透過流束を与えた。この結果から、CVD法で作製した複合膜でのパラジウム担持量は、2.8μm程度の平滑なパラジウム複合膜の析出量に相当していることがわかった。また、各種VIII族金属膜の水素透過流束は、水素分圧の平方根の差に比例していたことから、透過の律速段階は原子状水素のパラジウム内での拡散にあることが明らかとなった。以上のように優れた水素透過性を示す、各種VIII族金属複合膜を流動層メンブレンリアクターへ組み込むため、キャンドル状の多孔質アルミナ膜への担持を行なった。CVDでは原料ガスを強制的に多孔質アルミナ細孔内に導入することで細孔内への金属膜の製膜が可能であり、現在、流動媒体との摩擦に対する耐久性について検討している。
|