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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究は,イオン交換性層状遷移金属酸化物の層間修飾,架橋法を用いて,レドックス性を有するポーラスマテリアルの合成,およびその触媒への応用を目指したものである.以下に,本研究で得られた成果をまとめた. 1.層状Mn系酸化物:[MnO_6]八面体からなる酸化物層の層間に水分子とイオン交換性Naイオンが存在するNaブセライト(Na-Bus;Na_4Mn_<12>O_<17>_XH_2O)およびその類縁体の合成,ならびに層間架橋法によるポーラス化について検討した. (1)Na-Busの層間のNa^+イオンとラウリルアンモニウムイオン(C_<12>H_<25>NH_3^+)とのイオン交換が可逆的に進行することを確認した.また,[(CH_3)_4N]^+を層間に有する新規なブセライト類縁体の合成に成功した. (2)Na-Busと[Al_<13>O_4(OH)_<24>(H_2O)_<12>]^<7+>などのポリカチンとのイオン交換後,300℃で焼成することにより,Al_2O_3,Cr_2O_3,Fe_2O_3およびZrO_2架橋体を合成した.何れの場合もX線的にはアモルファスとなったが,表面積,細孔容積ともNa-Busに比べて増加し,高表面性をもつポーラス酸化マンガンを得ることに成功した. (3)細孔分布の測定から,層間架橋体は半径12〜20Åのネック部をもつ細孔構造をもち,半径50Å以下の細孔の増加が,表面積の増大に寄与していることがわかった. (3)何れの架橋酸化物もNa-Busより高いエチレンの酸化活性を示し,高表面積化の効果が認められた.さらに,Al架橋体はNa-Busより耐熱性も高いことがわかった. 2.ABO_2型酸化物:NaFeO_2のNa^+イオンは,水容媒系においてはH^+やC_<12>H_<25>NH_3^+とのイオン交換が可能であることを明らかにしたが,いずれの場合もX線的にアモルファスとなった.イオン交換条件や層間架橋法を最適化することによるポーラス酸化鉄の合成とその触媒特性について検討を進めている.
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