Project/Area Number |
07750887
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物・生体工学
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
叶 開明 九州工業大学, 情報工学部, 教務職員 (00253568)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 乳酸発酵 / 濾過培養 / バイオリアクター制御 / 高密度培養 / ダウンストリームを考慮した乳酸発酵 / イオン交換分離プロセス / 抽出分離発酵 |
Research Abstract |
乳酸発酵は食品産業の中でも最も重要なプロセスの1つである。乳酸発酵においては代謝産物である乳酸の生成に伴って菌体増殖が阻害されるため、本研究ではプロセスが簡単で、工業レベルのスケールアップが容易な多段抽出分離プロセスとろ過培養を組み合わせたシステムを開発し、そのシステムの効率化について理論的、実験的検討を行った(研究発表欄参照)。この場合、菌体濃度はオンラインレーザー濁度計で測定し、乳酸濃度は乳酸の生成に伴うpHの変化をもとにしてオンライン推定している。さらに、乳酸濃度をある一定値に保ち、乳酸生産性が最大となるような菌体濃度をオンラインで探索した。乳酸抽出発酵においてはアラミン336を抽出剤(溶媒はオレイルアルコール)として用いる抽出プロセスの検討を行っている。しかし、アラミン336は有害であるため、このプロセスは食品産業への応用は限られている。このような問題点を解決し同時に反応器容積当たりの生産性を高めるために、抽出プロセスとホローファイバーを組み合わせた新たなろ過培養システムを開発した。この場合、抽出プロセスでのpHは低ければ低いほど分離効率は良いが、培養液のpHはあまり低くすることができない。培地の利用効率を考えて、抽出プロセスでの抽残相の液をリサイクルすることを考えると両pHを等しくする必要がある。そのため、本研究ではまず低pHでも乳酸生産性が高い菌体(Lactobacillusdelbrueckiiなど)の探索を行った。また培養槽内pHを周期的に変動させ、pHが低いときに培養液を抜き出し、新鮮培地を供給する培養システムによって上記問題を克服することを検討した。一方、システムの効率化のため多段抽出と培養プロセスを組み合わせたシステムをモデリングした。 また、イオン交換樹脂とろ過培養を組み合わせたシステムを利用した乳酸生産技術も検討した(研究発表欄参照)。この場合、一部のイオンは樹脂に吸着されてしまうため、主に未利用炭素源のリサイクルが目的となる。また菌体増殖と乳酸生成を高速に行わせることを目的として、イオン交換樹脂を用いたより実用化が期待される最適化について実験的検討を行った。乳酸発酵に限らず、アルコールやプロピオン酸など発酵のバイオプロセスでもリアクター内生産物濃度をどのような値に、どの様な方策で制御するかは非常に大きな問題となっており、このことも含めてダウンストリームと統合した新たなバイオプロセスシステムを開発するかは大きな課題である。
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