金属を鋳型とする新規DNA結合性配位子の設計とその分析化学的応用
Project/Area Number |
07750900
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業分析化学
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井原 敏博 九州大学, 工学部, 助手 (40253489)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アントラキノン / インターカレータ / DNA / 二量体 / 金属イオン / DNA切断 / DNA結合制御 |
Research Abstract |
DNAの隣接する塩基対間にインターカレーションにより結合することが知られているアントラキノン骨格を利用して、これに種々の金属配位部位を導入したハイブリッド化合物を合成した。これらのハイブリッドタイプのDNA配位子とDNAとの相互作用を種々の金属イオン存在下、UVスペクトル滴定、トポイソメラーゼIアッセイ、切断実験により検討した。 その結果、クラウンエーテルを分子内に有するDNA配位子についてはアルカリ、アルカリ土類金属イオン共存下でクラウン部分と共存金属イオンの親和性を反映した序列でDNAとの親和性が変化することが見いだされた。ポリアミンやアミノ酸を有する配位子においては銅イオン共存下、親和性が大きく向上することが明らかになった。また、このうち、アミノ酸修飾配位子は銅との混合比により二量体を形成し、ビスインターカレータとして振る舞った結果、DNAへの強力な結合を実現することができた。これらのことはDNA、金属、DNA配位子が三元複合体を形成していることを示している。よりハードな金属として希土類金属、ソフトな金属の代表として水銀などを用いて、同様の検討を行ったが、前者の場合はその変化は小さく、後者は逆に配位子のDNAへの結合を阻害した。これは、希土類金属のDNAのリン酸骨格への異常に強い静電引力、水銀の塩基への結合によるDNA二重らせんの不安定化で説明することが可能である。本研究は共存金属の種類、濃度によって配位子錯体の荷電、コンホメ-シ15EA03:本研究結果はそれによってDANとの相互作用がコントロールできることを示している。今後、金属を介した二量化を中心に、構造を多様化し、より高次のDNA認識能を持つDNAプローブの開発のための新しいDNA配位子の開発に発展させたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)