リチウムマンガン系正スピネル酸化物の合成とそのリチウム二次電池正極特性の評価
Project/Area Number |
07750908
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
生田 博将 東京工業大学, 工学部, 助手 (80242270)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | リチウム二次電池 / リチウムマンガンスピネル酸化物 |
Research Abstract |
本研究では、酸素欠陥を有するLi_<4/3>Mn_<5/3>O_<4-δ>と八面体サイト一部を他の遷移金属で置換したLiM_yMn_<2-y>O_4(M=Cr,Co,Ni;y=1/9,1/6,1/3)の合成を行ない、そのリチウム二次電池特性の評価を行なった。 まず、Li_<4/3>Mn_<5/3>O_<4-δ>の合成は炭酸リチウムと酢酸マンガンをLi/Mn=4/5になるように混合し、まず350℃で1時間酸素気流中で加熱し、金属塩の分解を行なう。その試料を粉砕後、酸素気流中、400℃で所定の時間加熱し、Mnの酸化を行い、結晶性を高めるためにペレット成型・真空封印後、400℃で一週間加熱した。X線回析の結果、合成を行なった試料は、立方晶のスピネル構造を有しており、その格子定数は酸化時間が増加するにつれ、減少した。これは、Mnが3価から4価へ酸化され、イオン半径が減少するためであると考えられる。また、定電流法により4V領域の充放電試験の結果、酸化時間に対する1回目の放電曲線は酸化時間が長いほど、放電容量は減少することがわかった。これは、4V領域におけるリチウムのインターカレーション・デインカーカレーションの際には、Mn^<3+>【double arrow】Mn^<4+>の酸化還元が生じるため、試料中のMn^<3+>の量と放電容量は比例するものと考えられる。また、サイクル特性については、長時間酸化を行なった試料については、100回程度のサイクルでは容量の低下は見られなかった。一方、LiM_yMn_<2-y>O_4については遷移金属の置換量が増加するに、従い放電容量は減少することがわかった。この放電容量に関してもLi_<4/3>Mn_<5/3>O_<4-δ>と同様に、試料中のMn^<3+>の量と放電容量は比例するものと考えられる。このように、Mnを他の遷移金属で置換したスピネル型酸化物の方がLiMn_2O_4より良好なサイクル特性を示した。充放電容量とサイクル特性の両者を考慮すると、LiCr_<1/6>Mn_<11/6>O_4あるいはLiCo_<1/6>Mn_<11/6>O_4がスピネル型酸化物正極では、現在までのところ優れた特性を示すと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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