Project/Area Number |
07750913
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
笛野 博之 京都大学, 工学研究科, 助手 (30212179)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 分子軌道法 / 光酸化反応 / エポキシ化反応 |
Research Abstract |
12K、アルゴンマトリックス中で二酸化窒素に可視光を照射すると、アルケンと反応しオキシラン及びニトリトラジカルを生成することが報告されている。しかしながら、ニトリトラジカルは赤外吸収スペクトルにより同定されているものの、重要な役割を担うと考えられている一重項オキシランビラジカルは確認されていない。そこで、反応機構の詳細を明らかにするために、アルケンとしてはエチレンをとりあげ、ab initio分子軌道法による理論的研究を行った。主に、6-31G^*基底を用い、13電子11軌道を含むCASSCF法により構造を最適化した。 提案されている機構によれば、二酸化窒素とエチレンから最初にオキシランビラジカルが生成する。可視光を照射するということからNO_2がNOとOに解離するということは否定され、また、NO_2とエチレンが一つの素反応によりNOとオキシランビラジカルを生成する経路は現時点では求められていない。一重項オキシランビラジカルはROHF法、UHF法では構造最適化できるがCASSCF法、UMP2法ではオキシランに閉環し、構造が求められなかった。UHF法でもオキシランになる活性化エネルギーは1.7Kcal/molであり、非常に不安定な化合物であることがわかった。 別の反応機構として、二酸化窒素がエチレンに付加して最初にニトリトラジカルが生成し、NOを解離してオキシランが生成する経路を検討した。ニトリトラジカルからNOを解離してオキシランを生成する経路があること、また、ニトリトラジカルの第1励起状態はエネルギー障壁無しにNOを解離することもわかった。それぞれ、一光子過程と二光子過程とがあると実験により示唆されていることに対応する。
|