混合アニオン効果を示す高イオン伝導性ガラスの合成とその構造
Project/Area Number |
07750934
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機工業化学
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
町田 信也 甲南大学, 理学部, 講師 (10190381)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 高イオン伝導体 / 超イオン伝導ガラス / ガラス / 混合アニオン効果 / 固体NMR / リン酸塩 / ヨウ化銀 / 銀イオン |
Research Abstract |
最近、ガラス中に2種のアニオンを混在させると伝導度が極大を示す「混合アニオン効果」が見い出された。この現象は、より高いイオン伝導性を有するガラスを開発する上で重要であるのみならず、なぜ伝導度が増大するのかといった基礎的な面からも興味深い。本研究では、「混合アニオン効果」を示す新規なガラスを合成すると共に、NMRを用いたガラス構造の解析より、「混合アニオン効果」の発現機構について検討した。得られた成果は、次の通りである。 1.「混合アニオン効果」を示す新しいAgI-Ag_2MoO_4-Ag_2PO_<3.5>系ガラスの作製 AgI含量を一定として、孤立したオキソ酸アニオンを有するオルトモリブデン酸銀とダイマー構造のオキソ酸アニオンを有するピロリン酸銀を組み合わせたAgI-Ag_2MoO_4-Ag_2PO_<3.5>系のガラスを作製し、そのイオン伝導特性を検討したところ、2種のオキソ酸塩を混合することにより、イオン伝導度は増加し、伝導の活性化エネルギーは減少することを見いだした。これは、この系のおいて「混合アニオン効果」が観測されたことを示している。 2. AgI-Ag_2MoO_4-Ag_2PO_<3.5>系およびAgI-Ag_2MoO_4-AgPO_3系ガラスの構造と混合アニオン効果 混合アニオン効果を示すAgI-Ag_2MoO_4-Ag_2PO_<3.5>系およびAgI-Ag_2MoO_4-AgPO_3系ガラスについて、ガラス構造を^<31>P MAS-NMRにより検討した。その結果、いずれの系においても、2種のオキソ酸塩を混合することによりオキソ酸アニオンの構造が変化すること、および、ピロリン酸アニオン構造単位に酸素を介してモリブデン元素が結合したQ^<1-Mo>構造単位が他の構造単位よりも多くの存在する組成で伝導度の極大が現れることを見い出した。さらに、生成したオキソ酸アニオンの作る局部電場の考察から、オキソ酸アニオンの構造変化に伴いオキソ酸アニオンの作る局部電場が小さくなり、キャリアーイオンをトラップする働きが弱まるために「混合アニオン効果」が発現するというモデルを提案した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)