Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,水素結合および,電子ドナー・アクセプター効果,クーロン力を利用して,超分子構造を形成する高分子系液晶材料の構築法および配向構造の固定化について検討した。 水素結合性の原子団としてアミド基と水酸基を導入した高分子液晶は,アミド基あるいは水酸基のみを導入した高分子液晶に比べ,液晶形成能および液晶相-等方相転移温度が高く,アミド基と水酸基の間の異種原子団間水素結合がメソゲン基の配向に極めて効果的に作用することが明かとなった。 電子ドナー性原子団あるいは電子アクセプター性原子団を有する化合物の混合によって,新しい集合構造が形成された。また,化合物のコンホメーションに集合構造が依存した。高分子/ツイン化合物系およびツイン/ツイン化合物系では,ツイン分子が直線形の分子形態をもつ場合にはスメクティックA相が誘起され,ツイン分子の1つのメソゲン基に対してもう一方のメソゲン基が傾いたような分子形態をとる場合には,反強誘電性相的な配向構造をもつ誘起スメクティックC相を形成することを見いだした。これは,分子構造のの立体的効果を利用することによって,配向構造を制御できることを示している。 クーロン力を利用することによって,異種原子団を複合させ,共有結合から形成される分子と同様の液晶系を構築することができた。カルボン酸基をもつメタクリレートとアミン系化合物とのイオンコンプレックス化によって,液晶性イオン複合体をつくり,イオン基によるその複合体の自己組織性によって,均一な垂直配向構造を形成させた。その均一配向状態で,重合反応を行うことによって,液晶高分子配向薄膜を得た。
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