Research Abstract |
本研究では,研究者が構築している造船CIMのプロトタイプ・システムであるSODASをベースに,製品モデルの情報を利用した部品情報を生成するための支援システムはどの様に考えられることが可能であるか検討することを目的とした。 研究者が構築している造船の設計・生産支援システムにおいて定義される情報は, ・板材,骨材を定義する部材情報 ・部材間の接合関係を定義する接合関係情報 などがあげられる。これらの表現方法は,一般的には「属性つき形状モデル」に相当する。本研究では,先ず,板厚が属性情報として,その形状が面分形状として表現される板部材に対して,部材が存在するべき面をMould面と展開面を定義することによって,部材が存在する基準面を定義した。こおことによって,システム内の部材の形状情報を容易に取り扱うことができるデータ構造を提案することができた。 また,部材の端部形状の処理に関しては,部材間の接合関係情報を有効に利用し,部材の取り合い関係を「優勢・劣勢」として簡素な関係を表現し,複雑な板部材の取り合いを簡潔にモデル化することができた。さらに,実際に板厚を処理し,接合部の開先形状や伸ばしなどを考慮することによって,実際に必要となる部材の一品形状を生成することができた。求められるこの形状情報を有効に利用することによって,部品情報からNC Cutterの情報やネスティングの情報を生成することなどにも成功した。 以上のように,本研究によって,部品情報を獲得するために属性制御モデルの考え方に従って部品情報の属性表現を検討し,部材形状の定義のための様々な属性情報を新たに定義し,また,有限個の属性情報を明らかにすることとともに,それらの属性情報から部品形状が生成される処理機能を明確に定義し,一品形状を生成するシステムを構築することができた。
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