Project/Area Number |
07751024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
資源開発工学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤井 義明 北海道大学, 工学部, 助手 (70192309)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 岩石 / 破壊規準 / 引張ひずみ / 分子動力学 |
Research Abstract |
材料科学の分野で広く用いられている分子動力学法(数値解析法の一種で、経験的ポテンシャルに基づいて原子1つ1つについて運動方程式を解いていく方法)を用いて10^<-9>mオーダーの寸法を有する微小なCuとNaClについて引張・圧縮時の変形・破壊挙動を解析した結果、巨視的スケールの材料試験と同じように、ひずみ軟化挙動を含む非線形な荷重-変位線図が得られた。 さらに、Cuについては以下の知見が得られた。(1)引張強温度が圧縮強度よりやや大きい、(2)引張試験時の大変形に伴いネッキングが観察される、(3)側圧による圧縮強度の増大が少ない、(4)圧縮試験における最大荷重点の偏差変位(せん断ひずみに対応する量)は側圧に依存しない。これらの特徴は巨視的な金属材料と一致する。 一方、NaClについては以下の知見が得られた。(5)引張強度が圧縮強度より小さい、(6)側圧により圧縮強度が、あたかもCoulombの破壊規準に従うように、増加する、(7)最大荷重点の載荷軸方向変位(軸ひずみに対応する)は側圧と共に増加するが、横方向変位(横ひずみに対応する)は側圧に依存しない。これらの特徴は巨視的な岩質材料と一致する。 もちろん、本研究で得られた結果がそのまま岩石に対して適用できるわけではないが、以上は、欠陥の無い極く微小な結晶でも巨視的材料にみられる特性を失っておらず、分子動力学法を岩石の変形・破壊のメカニズム解明に援用する価値があることを示唆している。クラックの導入により、さらに実際的な解析が可能になるものと期待される。SiO_2等の共有結合物質の解析は、当面の最も大きな課題として残された。先端的ないくつかの研究例を参考にして検討を続けていきたい。
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