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¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
合成開口レーダ(SAR)は通常の衛星リモートセンシングよりも十万倍程度長い電磁波を利用しているので全天候型であり,断層を広範囲にわたって抽出できるという特長がある。そこで,(1)SAR画像処理システムの構築,および(2)断層抽出法の開発,の2点を本研究の目的とした。まず,IBM系のPCクラスを主体とし,大容量のハードディスクとRAMを搭載したシステムを構築することで,SAR画像の処理を可能とした。この処理には衛星の姿勢や軌道に関するパラメータが必要となるが,これらを適宜与えることで,地形が判別しやすく断層解析に適した画像が作成できるようになった。 次に,断層と関連する線状の地形的特徴であるリニアメントのSAR画像からの抽出法を検討した。これを抽出するに当たっては,(I)可視域・赤外域のリモートセンシング画像に比べてスペックル(斑点)状のノイズが大きいこと,(II)衛星の軌道側に傾く斜面の方が反対側の斜面に比べてレーダの反射強度が大きいので明るいこと,に留意した。(I)に対しては,ノイズを軽減するロ-パスフィルターを開発し,これをリニアメントの抽出の前に画像に作用させた。(II)に対しては,コントラストの弱い領域からのリニアメントの抽出精度を向上させるために,局所的な領域における画像の輝度レベルの分散に注目し,これがしきい値以上になれば領域の中心点を保存するという手法を試みた。しきい値には対象領域の平均輝度レベルを重みとし,それが低い領域ほどしきい値を小さくする。さらに,しきい値処理によって保存された点を繋ぎ,リニアメントとなるように線分化する。ここにもしいき値操作と同様に,輝度レベルの低い領域ほど遠く離れた点同士ZZが繋がるように設定した。以上の手法を九州中部のJERS-1 SAR画像に適用した結果,SAR画像は地形の起伏を強調するために,高い精度で断層の分布状態を明らかにするリニアメントマップが得られることがわかった。
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