Research Abstract |
光質の制御方法として紫外線蛍光灯(UV-B)の照射),光線選択性フィルターによる被覆及び明期終わりでの赤色光補光処理の3種類の処理を検討した. 1.UV-B補光 ミニバラを供試し,UV-Bの照射を照射時間及び回数を変えて暗期中に行った.UV照射処理を約1カ月間行った後,弱光条件に移動した.地上部生体重あたりおよび乾物重あたりの水分損失量を比較すると,対照区よりも処理区で小さくなり,特に,30分毎15分間処理区で小さくなる傾向が認められた. 2.光線選択性フィルターによる被覆 ミニバラ及びエキザカムを供試した.透過光のR/FRがそれぞれ0.59(SBM),1.24(YBM-3),1.33(YBM-2)及び2.19(YBM-1)のフィルター,選択性のないBBM及び6%CuSO_4溶液を封入したフィルターを供試した.ミニバラでは,第1花開花時に人工気象器(SIE)内に移動した.側枝長はYBM-3区で変化が小さかった.花色はどの区でも,SIE搬入後,急速に淡色化し,処理間差は小さくなったが,YBM-2及びYBM-3ではSIE前後の変化が比較的小さかった.エキザカムでは,本葉2対展葉からフィルター下で栽培し,開花始めにSIEに搬入した.草丈はR/FRの大きい区で小さくなり,SIE搬入8週間後も同じ傾向であった.開花数は,草丈の高い区で多い傾向が認められた.花色は,エキザカムではSIE中での退色が少なく,処理による差異は小さかったが,YBM-2で比較的花色が濃い傾向が認められた. 3.明期終わりでの赤色補光処理(R-EOD) ミニバラ及びパンジ-を供試した.開花始めにSIEに搬入し全体重の変化を測定して水分損失量とした.ミニバラでは,SIE期間中の新鮮重あたり及び乾物量あたりの水分損失量は,R-EOD区の方が有意に小さくなった.パンジ-では,花茎長はR-EOD区で有意に短かったが,水分損失量には有意差がなかった.
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