Project/Area Number |
07760063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Plant nutrition/Soil science
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
末吉 邦 神戸大学, 農学部, 助手 (10216278)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | オオムギ / 硝酸還元酵素 / 遺伝子発現 / 硝酸塩 / mRNA |
Research Abstract |
高等植物の硝酸還元酵素(NR)遺伝子は、培地での硝酸塩存在下でのみ発現する。本研究は、硝酸塩を与えて育てたオオムギ幼植物を無窒素培地に移したときのNRmRNAの急激な現象が、硝酸塩除去によって引き起こされたNRmRNAの不安定化によるものか、NRmRNAのもつ代謝回転速度が元来短いのかを評価しようと言うものである。 オオムギ幼植物の切断葉を硝酸塩を含む培養液に4時間おいてNR遺伝子の発現を誘導した後、RNA合成阻害剤(コルジセピン)を含む培養液(硝酸塩は共存したまま)、あるいは無窒素培養液に移して経時的に試料を採取した。試料より全RNAを精製し、アガロースゲル電気泳動で分離後、ナイロン膜に転写し、^<32>PでラベルしたNRcDNAとハイブリダイズさせた。ナイロン膜に結合したプローブの放射能量をイメージングアナライザーで測定し、NRmRNA減少のキネティックスを調べた。 硝酸塩の除去に伴うNRmRNAの半減期は、およそ30分であった。一方コルジセピンによってRNA合成を停止させた場合のNRmRNAの半減期は40分と測定された。この結果から、硝酸塩除去によって観察されるNRmRNAの急速な減少は、mRNAの不安定化が誘起されたからとは考えにくく、NRmRNAがもともと短い代謝回転速度を持っていることを示している。すなわち、NR遺伝子の転写は培地からの硝酸塩の除去によって停止させられ、細胞内に残存するNRmRNAが短時間で分解されていることを意味する。本研究の結果、NRmRNAの代謝回転速度が短いものであることが初めて示された。現在、植物は硝酸塩というシグナルの有無だけでNR遺伝子の発現を制御しうるのか検討しているところである。
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