酵母の液胞タンパク質の局在化と液胞形態形成に関与する遺伝子の解析
Project/Area Number |
07760089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
竹川 薫 香川大学, 農学部, 助教授 (50197282)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | PI3-キナーゼ / ホスファチジルイノシトール / 分裂酵母 / 液胞 / 出芽酵母 / 局在化 / 器官形成 / CPY |
Research Abstract |
動物細胞において、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3-キナーゼ)は細胞増殖やシグナル伝達経路に重要な役割を果していることが明らかになりつつある。一方、出芽酵母においては液胞タンパク質輸送に必須な遺伝子であるVPS34遺伝子がPI3-キナーゼをコードしており、本酵素活性が出芽酵母の液胞タンパク質輸送に重要であることを申請者らは明らかにしている。そこで細胞増殖形態などがより高等生物に近いとされる分裂酵母のPI3-キナーゼ遺伝子の検索を行い、本遺伝子が液胞タンパク質輸送、液胞形態にどのような影響を及ぼしているかについて解析を行った。 分裂酵母PI3-キナーゼホモログ遺伝子をゲノムライブラリーからPCR法を用いて単離した。アミノ酸配列の決定を行ったところ、本遺伝子は出芽酵母VPS34遺伝子と極めて高いホモロジーを有していた(43%同一アミノ酸)。。本遺伝子を破壊した場合には細胞内のPI3-キナーゼ活性が完全に消失したことから、本遺伝子が分裂酵母のPI3-キナーゼ遺伝子であることを確認した。本酵素は出芽酵母のPI3-キナーゼと同様にPIに特異的に作用し、PI3-キナーゼ阻害剤であるワ-トマニンに非感受性であった。分裂酵母PI3-キナーゼ遺伝子破壊株の液胞は野生株とは異なり、極大化した大きな液胞形態を有していることから、本酵素活性が液胞形態形成に重要な役割を果たしていることが明らかになった。さらに分裂酵母内で出芽酵母Vps34タンパクを発現させたところ、出芽酵母PI3-キナーゼは分裂酵母PI3-キナーゼ欠損により生ずる種々の表現形を相補可能であることが明らかになった。今回の科研費に基づいた実験から、出芽酵母及び分裂酵母のPI3-キナーゼはタンパク的にも機能的にも極めて類似していることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
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