Project/Area Number |
07760158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林産学
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
寺内 文雄 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (30261887)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 木材 / ニオイ |
Research Abstract |
木材のニオイが気分に及ぼす影響を検討することを目的として、ストレスの評価に用いられているPOMS(感情プロフィール検査)75項目から、気分の変化を表す尺度の抽出を試みた。抽出は適・不適を問うアンケート調査や数ppbに調整した低い濃度の木材のニオイを20名の被験者に嗅がせる官能検査によって行った。得られた結果を因子分析法により解析したところ、POMSの28項目によってニオイの影響の8割以上が解釈でき、木材のニオイが人の気分の疲労感、活気、および緊張感・不安感に影響を及ぼすことが明らかとなった。次いで、7樹種の針葉樹材のニオイが気分に及ぼす影響を検討するために、10名の被験者に内田クレペリン検査による精神的な負荷を与え、検査前後の気分の変化を前述の28尺度によって評価させた。その結果、ニオイを与えない場合と比較して、木材のニオイを与えた場合では疲労感や緊張感・不安感が低減し、活気が増大する傾向が見られた。(P≧0.05)。これとは別に、安静状態の6名の被験者に木材のニオイを与えた場合と与えない場合の脳波を測定し、その周波数分析を行ったところ、有意な差は認められないものの木材のニオイによってβ波に対するα波の増加傾向が見られ、より安静な状態となることが示唆された。CNVを指標としてニオイが覚醒水準に及ぼす影響を検討した実験ではニオイが覚醒水準を低下させ、鎮静的に作用することが示唆されているが、本実験結果はこれを支持する結果であった。これらの心理的・生理的検討を考えあわせるとニオイは過度の覚醒を抑制させ鎮静的に作用し、課題負荷時の疲労感や緊張感を低減させるものと推測できる。また、ニオイの有無によって課題の達成率に有意な差が認められないことから、ニオイの鎮静、あるいは覚醒抑制作用の程度は精神作業の結果に影響を及ぼすほど大きいものではないと考えられる。
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