Project/Area Number |
07760166
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林産学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
今井 貴規 名古屋大学, 農学部, 助手 (20252281)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 細胞壁 / 細胞壁多糖 / ラジオトレーサー法 / キシラン / クラフト蒸解 |
Research Abstract |
1. ラジオトレーサー法によるクラフトパルプ化中のキシランの再吸着の解明 鉢植えのコブシにmyo-イノシトール-[2-^3H]を投与した後、植物を数カ月間生育させることによって、完成した細胞壁中のキシランをほぼ選択的に放射標識することができた。 非放射活性試料を放射活性試料と共にクラフト蒸解し、蒸解の様々な段階で得られるパルプおよび蒸解液の放射能を測定した。その結果、元は非放射活性であった試料に放射能が検出され、放射活性試料から一度蒸解液中に溶出した放射性キシランが、再吸着していることが示された。元は非放射活性であった試料に検出される放射能は、温度上昇期では僅かであり、蒸解温度が170℃に達する頃から高くなった。したがって、キシランの再吸着は、蒸解初期から僅かに起こっており、蒸解後期において著しくなることがラジオトレーサー法によって示された。 2. ラジオトレーサー法によるクラフトパルプ化中のキシランの挙動の解明 放射活性試料をクラフト蒸解し、残留する全てのキシランが放射標識されたパルプ(パルプ1)を調製した。また、非放射活性試料を放射活性試料と共にクラフト蒸解した後、元は非放射活性であった試料を分別し、再吸着したキシランのみが放射標識されたパルプ(パルプ2)を調製した。得られた2種類のパルプをアルカリ、DMSOおよびキシラナーゼで処理し、可溶部と不溶部の放射能を測定した。その結果、各処理の可溶部と不溶部の放射能の割合が、パルプ1および2において異なった。したがって、蒸解中一度も溶出しなかったキシランの性質と蒸解中に再吸着したキシランの性質とが異なることが示された。再吸着キシランはアルカリで抽出され易く、DMSOでは抽出され難かった。また、キシラナーゼによって加水分解され難く、さらにキシラナーゼはパルプ表面のキシランばかりでなく、繊維内部に存在するキシランも加水分解した。
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