Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究は,飼育下にあるイルカ類を対象とした人工受精技術の確立を最終目的において、従来より継続して行われているものである.本年度は,すべての実験を鴨川シ-ワールド(千葉県鴨川市)の全面的協力のもとに行い,以下の成果を得た. (1)イルカ凍結精子の長期保存:1992年より液体窒素中で錠剤の形で凍結保存されているバンドウイルカとカマイルカの希釈精液を適宜解凍し,その生存率を調べたところ,凍結から約2〜3年経過した時点で,ハンドウイルカで50〜70%(活力+++),カマイルカで80〜90%の値が得られた.これらの値は,凍結精子を用いた人工受精を行うには十分な値と考えられるが,凍結による精子の形態的損傷および受精能力については未検討であるため,今後の継続研究が必要である. (2)バンドウイルカ精子凍結保存条件の再検討:凍結保存条件の更なる改善のため,用手法による精液採取が可能となっているバンドウイルカから精液を採取し,精子に対する凍結保護効果が知られている種々の糖フラクトース,ラフィノース,ラクトース)を従来の凍結保存用希釈液に添加して,融解後における精子の生存率を比較した.また,錠剤を2つの融解条件で解凍し,以後の精子生存率を比較した.その結果,糖添加の効果は,いずれの糖についても認められず,また融解は37℃の希釈液中で行うことで良好な生存率が得られることがわかった. (3)バンドウイルカ人工受精の実施:1995年5〜6月,成熟雌個体1頭につき,PGF_<2α>を投与し,その後,新鮮精液を注入して人工受精を試みた.その結果,ホルモン剤による発情同期効果は認められたものの,受胎には至らなかった.なお,当初予定していたシャチの精液採取は,事情により来年度以降に延期することにした.
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