Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究においては,魚類の生殖年周リズムおよび日周リズムをメラトニン投与により制御するため,キンギョを用いて実験を行なった。 (1)キンギョの光周性の発現におよぼす松果体・眼球除去の影響 キンギョは,秋季に光周性を発現し,24℃では生殖腺の発達は短日下で抑制,長日下で促進される。そこで,本実験においては雄キンギョの光周性発現におよぼす松果体・眼球除去の影響について検討した。その結果,14L/24℃で飼育した松果体除去群,眼球除去群の血中生殖腺刺激ホルモン(GTH)濃度は偽手術群よりも有意に高い値を示した。しかしながら,松果体除去群と眼球除去群の血中GTH濃度,生殖腺体重比,ならびに排精持続期間に有意な差は認められなかった。 (2)キンギョの排卵時刻決定におよぼすメラトニンの影響 キンギョなどコイ科魚類の排卵は,生物時計に支配されており,明暗条件下では暗期に同期的に起こるが,恒明条件下ではランダムに起こることが知られている。そこで本実験においては,排卵時刻同調におけるメラトニンの役割を検討するため,恒明条件下で水温上昇により排卵を誘発し,メラトニンの定時経口投与,定時注射により排卵時刻が同期するかどうか調べた。その結果,水温上昇の前から7日間連続してメラトニンの経口投与,あるいは腹腔内注射を行なってもGTHサージのタイミングと排卵時刻は同期しなかった。 以上、本研究においてはメラトニン投与により魚類の生殖リズムを人為的に制御することを試みた。今後さらに実験条件や投与法を改善して検討を続けていく必要があると思われる。
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