Project/Area Number |
07760199
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fisheries chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中野 俊樹 東北大学, 農学部, 助手 (10217797)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 一酸化窒素合成酵素 / 魚類 / 血液 |
Research Abstract |
1.一酸化窒素合成酵素(NOS)活性の測定法 アイソトープラベルしたL-[グアニジノ-^<14>C]アルギニンを使用するNOS活性の測定法は従来良く用いられているが、この方法は粗酵素内のアルギニンが基質を希釈することで生成物の^3H-シトルリン量が減少してしまい、測定値が低く見積もられる欠点がある。そこで反応生成物であるNADP^+の螢光法による測定法を検討した。この測定法によりNADP^+の検量線を作製したところ、0〜5nmolの範囲で濃度と螢光強度の間には極めて高い相関が認められ、本法により微量測定が可能であることが示された。 2.魚類血液のNOS活性 (1)粗酵素液の調製:種々の組織より調製した抽出溶液中のNOSは極めて不安定であることが知られており、特にプロテアーゼによる失活が大きいと云われている。そのため、本実験系では抽出および反応用の緩衝液に各種プロテアーゼ阻害剤(PMSF、アンチパイン、ペプスタチンおよびロイペプチンなど)を添加しNOSの失活を最小限に抑えた。(2)NOS活性の血液における分布:材料としてニジマスを用いた。現行のNOS活性の測定法はいずれも恒温動物由来の酵素を対象に確立されたものであり、変温動物、特に冷水性魚類由来の酵素には必ずしも適切とは云えない。そこで検討した結果、従来25℃、30分であった反応を20℃、45分とすることで良好な結果を得た。MS-222により麻酔をかけたニジマスの尾へい部より採血し、7,000×gで40分遠心分離し、血球と血清の両成分に分け、各々より粗酵素液を調製したところ、血球にのみNOS活性を認めた。またその活性は、NOSの特異的阻害剤として知られる数種のアンタゴニストにより阻害された。その阻害程度は、N^G-ニトローL-アルギニン(L-NNA)<N^G-モノメチル-L-アルギニン酢酸塩(L-NMMA)<N^G-ニトローL-アルギニンメチルエステル塩酸塩(L-NAME)の順に大きかった。 3.以上のように魚類血球にNOSが存在することが示されたのは本研究が初めてであると思われる。
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