Project/Area Number |
07760203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fisheries chemistry
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
石崎 松一郎 東京水産大学, 水産学部, 助手 (40251681)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 魚類 / アクトミオシン / ミオシン / ミオシン軽鎖 / ATPアーゼ |
Research Abstract |
魚類筋肉アクトミオシン(AM)Mg^2+ATPaseは、35℃付近で加温処理すると著しい活性化を示すことが知られている。従来、このAM Mg^2+ATPaseの加温による活性化機構については、ミオシン(M)の尾部構造が必須であるとされてきたが、本研究ではこの活性化機構をM尾部ではなく、頭部に着目して検討することを目的とした。1.AM Mg^2+ATPaseの加温による活性化は、予めMを加温処理(25℃・20分間)もしくは尿素処理(終濃度1モル)すると失われ、この不活性化Mにアルカリ軽鎖(ALC)を添加するとある程度回復するが、DTNB軽鎖(DLC)を添加しても回復しないこと。2.35℃付近の加温処理で活性化しないアクト-S-1 Mg^2+ATPaseは、化学架橋試薬である水溶性カルボジイミド(EDC)で処理すると活性化し、これにALCを添加するとさらに活性化率が増大すること。また、蛍光標識した軽鎖成分をS-1およびアクチン(A)の存在下でEDC処理すると、SDS-PAGE上での明瞭な蛍光成分の移動が生じること。3.AM Mg^2+ATPase活性は、基質であるATP濃度の増加に伴い減少するが、加熱したAMでは高い活性を維持すること。さらに、アクト-S-1でも、高ATP濃度下や熱変性保護剤の添加後加熱すると活性化を示すことが明らかとなった。以上の結果は、AM Mg^2+ATPaseの加温による活性化へのM尾部の重要性へ疑問を投げかける結果であった。予めMg^2-ATPaseの加温による活性化を消失させたAMもALCを添加することである程度活性化が回復したことから、この活性化へのALCの関与が示唆されたが、アクト-S-1 Mg^2+ATPaseでも同様な効果が観察されており、Mg^2+ATPaseの加温による活性化にALCが関与している可能性は大きいと考えられる。ALCは分子量的に2種類(ALC1>ALC2)存在するが、どちらが主にこの活性化に関与しているかは検討していないので不明である。この点が今後の課題であろう。
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