食品製造企業の組織及び行動と不完全競争に関する産業組織論的研究:多元動態的競争と動態的市場成果
Project/Area Number |
07760213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Agro-economics
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
本間 哲志 筑波大学, 農林学系, 講師 (60241775)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 食品製造企業 / 期待形成 / 動態的環境 / 確率動学最適制御理論 / 確率動学ゲーム理論 / 動態的市場成果 / 動態的効率性 / 動学的生産フロンティア |
Research Abstract |
本研究では、食品製造企業の組織と行動の動態的特質とそれを明示的に考慮した場合の市場構造・行動・成果の動態的相互作用を理論的・実証的に明らかにすることを目的として、次の点の検討・分析を行った。(1)食品製造企業がその将来について予測する外部経済環境の具体的な中身とそれに関する期待形成の仕方,(2)同企業の動態的行動原理とその特質,動態的経済行動の政策的産業組織論的含意,(3)動態的効率性ならびに動態的市場成果概念の構築とその経済学的意義,食品製造業の動態的市場成果,(4)動態的経済行動と市場構造変化及び動態的市場成果との相互関連,(5)同産業の産業組織変化の基本的方向と新たな政策の必要性。その結果、次のような結論が得られた。(1)食品製造企業の外部経済環境に関する期待形成において重要な要因ないし要素は、1)消費者選好及びニーズ,2)原材料の供給及び需要条件,3)ライバル企業の競争戦略,4)産業ないし市場政策,5)新技術の導入による新製品の改善と開発である。これら要因ないし要素に関して持つ「確信」の状態を所与として、利用可能な情報的資源を最大限に活用しながら実現可能な予想をたてる。(2)これら要因ないし要素は連続的な変動過程にあり、複雑かつ動態的環境を形成している。こうした環境を明示的に考慮するためには、食品製造企業の経済行動を確率動学的なものとして捉える必要がある。その定式化に当たっては、従来の確率動学最適制御理論だけでなく、ライバル企業の戦略変数に対する予想を明示的に考慮した確率動学ゲーム理論の適用が必要とされる。(3)また、従来の静学的なフロンティア概念を確率動学的最適制御理論に基づいて動学化することにより、動態的市場成果の新たな概念として、動態的効率性を考えることができる。(4)動態的効率性は動学的ないし通時的生産フロンティアと実際の変動値との乖離に基づいて定義され、静態的効率性との不一致性という新たな問題を考察する枠組みを提供する。
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Report
(1 results)
Research Products
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