Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
無洗米や調理済米飯等の加工において排出される洗米廃水の効率的な処理法を確立する目的で,限外ろ過膜分離装置を組み込んだメタン発酵槽を試作し,その処理特性を検討した.得られた知見は以下の通りである. 1.供試した膜分離装置による汚泥の濃縮は,膜モジュールの閉塞による循環停止により不可能であった.逆洗浄の結果膜の目詰まりは認められなかったので,汚泥の濃縮に適した膜モジュールの設計が示唆された. 2.COD負荷400〜6000mg/L-dにおける廃水の投入操作に対して,在来の懸濁型発酵槽より5〜10倍高い約8〜16g-VSS/Lの汚泥を得た.これは主として遠心分離器を活用した汚泥の返送によるものであった. 3.発酵液の遠心分離後の上澄液におけるCOD除去率は,投入廃水に対して95〜98%という高い値を示した. 4.洗米廃水の処理における消化ガス収率は0.37〜0.39mL/mg-COD,メタン収率は0.22〜0.24mL/mg-CODであった.これらの値は,メタン発酵法による廃水処理によって工場内消費エネルギの節約を達成したビールや製糖工場で得られた既往のデータと同等のものであることから,洗米廃水へのメタン発酵法導入の適用性が認められた. 5.洗米廃水,発酵液および限外ろ過透過液の濁度(610nmの吸光度)は,それぞれ約2.7,3.0,0.016であった.これにより膜複合型メタン発酵槽の処理によって,洗米廃水の透明度は170倍程度高められることが示された. 6.限外ろ過透過液のCOD濃度は160〜3000mg/Lであり,発酵液や限外ろ過濃縮液のCOD濃度と大差はなかった.従って見かけ上浄化された限外ろ過透過液であっても,活性汚泥等による二次処理の必要性があることを知った. 7.リンや窒素といった栄養塩類の除去能とCOD除去活性との間に明確な相関は見いだせなかった.
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