Project/Area Number |
07760248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Zootechnical science/Grassland science
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
安江 健 茨城大学, 農学部, 助手 (10270852)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 羊 / 山羊 / 放牧行動 / 社会行動 / 空間行動 / 行動制御 / 家畜管理 |
Research Abstract |
羊群に山羊を加えることの群管理上の意義を明確にするため、放牧羊群に新たに山羊を加え、1放牧期間を通しての群形成過程とLeader-Follower関係の成立過程を観察した。本学所有のコリデ-ル系成雌羊7頭およびその子羊8頭の計15頭からなる放牧羊群に、ザ-ネン計成雌山羊1頭とその子を含む2頭の子山羊の計3頭を新たに導入して実験を行った。1995年の6〜9月までの放牧期間中、24時間連続の行動観察を7回実施し、食草行動や群の社会行動および空間行動の推移から、群の形成過程について検討を行った。この連続観察中に群の自発的な移動時における各個体の順序を記録したほか、補助飼料給与時に起きる群の自発的な移動時における順序や、管理者により草地から畜舎へと強制的に移動させられる場合に群内の移動順序を上記の連続観察とは別に48回観察し、Leader-Follower関係の成立過程を検討した。得られた結果は次の通りである。(1)導入した山羊の食草時間は、導入1日目には390分と羊よりも200分程度少なかったがその後徐々に増加し、導入10日目以降は羊とほぼ同様に推移した。(2)群内の敵対行動数は山羊の導入により増加し、導入3日目に128回とピークを示したがその後低下し、導入後1カ月目には21回と最低値を示した。(3)個体間距離の平均値は、羊間および山羊間ではそれぞれ7〜13m、3〜7mと全観察を通して一定で推移したのに対して、羊-山羊間では導入1日目の36mから徐々に低下し、導入後3カ月目で22mと最低値を示したが、これら種間の個体間距離は種内の距離よりも有意(P<0.01)に大きかった。(4)群の自発的な移動時および管理者による強制的移動時における各個体の移動順序は、山羊導入後徐々に不安定なものとなり、山羊がSpatial leaderとはなり得なかった。(5)以上のような結果から、1放牧期間(4カ月間)程度では両種は1群を形成するには至らず、山羊が存在の意義を発揮できないものと推察された。
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