Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
紫外線抵抗性の異なるイネを用い,紫外線UVBによる生育阻害と,UVBによるDNA損傷(Cyclobutyl Pyrimidine Dimers [CPDs]の生成)の頻度及びその修復機能との関係について解析を行った.材料として,紫外線抵抗性の強いササニシキと弱い農林1号の幼植物(第3完全展開葉)を用いた.CPDsの定量は,UV endonucleaseを用いたアルカリパルスフィールド電気泳動法により行った.まず始めに単色光(302nm)照射装置を用いて,UVB照射量に対するCPDs生成量のUV Dose Response Curveを測定した.その結果,両品種間におけるUV Dose Response Curveには差異が認められなかった.次に生成したCPDsの修復機能を比較するため,CPDs生成量がおよそ30,55sites/Mbとなるように各幼植物の葉に照射を行った.照射量は各々400,800J/m^2で,単色光照射後直ちに,青色光ランプ(Philips 15T8/B blue lamps)下または暗所下に移し,CPDs消失のtime courseを測定した,初期ダイマーレベルが30sites/Mbの時,暗修復は両品種ともみとめられなかった.しかしながら,初期ダイマーレベルが55sites/Mbと高くなると,ササニシキ,農林1号で各々0.4,0.08CPD/Mb/minと,抵抗性の強いササニシキの方がおよそ5倍程度速いことがわかった.また、光修復速度を比較すると,初期ダイマーレベルの違いに関わらず,ササニシキの方が速いことがわかった.これらの結果から,両品種間の紫外線抵抗性の差異に,DNA損傷の修復速度の差異が深く関与している可能性が示唆された.尚,これらの研究成果については,現在論文を投稿中である.
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