Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
根端に特異的に存在する始原細胞は分裂活性の活発な細胞群とその内部に存在する機能がよくわからない静止中心(Quiescent Center:QC)と呼ばれるDNA合成の不活性な細胞群から構成されている。分裂活性の活発な細胞群の増殖は、根を構成するさまざまな組織(表皮、内皮、中心柱)の、伸長軸に対する対称的構築を伴う。このことは、QCを取り囲んでいる根端始原細胞群が、その細胞の位置する場所によって、その将来の分化の方向性と分裂回数が決定されていることを暗示しており、QC自体が根の対称的組織分化を代謝的、物理的に制御している本体である可能性が高い。本年度は、特にQCを含む根端部分で特異的に発現している分子マーカーの検索に重点をおいて実験を行った。ハツカダイコンの根端部分から総タンパク質画分を抽出し、2次元電気泳動により他の組織(葉、茎、茎頂分裂組織、根のelongation zoneおよびspecialization zone)における総タンパク質の発現パターンと比較した。その結果、根端における特異的発現が確認されるタンパク質が少なくとも5種類(p1からp5)存在することが判明した。それぞれのタンパク質の分子量および等電点は,p1:33.0kDa,pl=5.8,p2:35.0kDa,pl=6.0,p3:39.0kDa,pl=6.4,p4:38kDa,pl=5.7,p5:36kDa,pl=4.8であった。これらのタンパク質の根端部分における発現部位は不明であるが、根端始原細胞からの分化譜系を解析するための良いマーカーが得られたものと考えている。
|