Project/Area Number |
07770003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡部 剛 大阪大学, 医学部, 助教授 (80220903)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | クロモグラニン / セクレトグラニン / 分泌顆粒 / ソーティングシグナル / 遺伝子導入法 / 内分泌細胞 |
Research Abstract |
申請者はこれまでに、内分泌細胞におけるクロモグラニン・セクレトグラニン蛋白群の局在に注目し、同蛋白群の生理的役割について検討してきた。この蛋白群に属する主要なものとしてクロモグラニンA(CgA)、クロモグラニンB(CgB)、およびセクレトグラニンII(SgII)の3種があり、いずれも様々な内分泌細胞の分泌顆粒内に蓄積され、分泌刺激に応答してホルモンとともに血中に放出される。しかしながら、これらの蛋白がどのようなメカニズムによって分泌顆粒に蓄積され、分泌刺激が到来するまで細胞内に保持されるのかについては、解明されていなかった。そこで今回の研究課題では、グラニン蛋白群のどの部分が分泌顆粒へのソーティングシグナルとなっているか、Epitope-tagging法を用いて検討した。 まず、グラニン蛋白群のcDNAにc-myc由来の既知エピトープを付加した後、ラット褐色細胞腫由来の培養細胞株PC12に導入した。その結果、グラニン蛋白群(CgA,CgB,SgII)にアミノ酸10残基からなるc-myc由来エピトープを付加しても、その分泌顆粒への局在性に関しては影響を受けず、内因性のグラニン蛋白と同様に分泌顆粒に輸送されることが確かめられた。 次に、このグラニン蛋白群分子のどの部分が分泌顆粒への局在に関与しているか、グラニン蛋白群のうちCgAに注目して様々な長さのCgAのdeletion mutantsを作製し、そのPC12細胞内での局在性について検討した。その結果、CgA全長448アミノ酸残基のうち、カルボキシル末端側408残基を欠失させたアミノ末端側40残基のみからなる部分のみでも正しく分泌顆粒に輸送されることから明らかになった。 さらに、このCgAアミノ末端側の40残基からなる部分に、本来細胞質に局在する蛋白であるGreen Fluorescent Protein(GFP、238アミノ酸残基)を融合し、この融合蛋白がPC12細胞内でどこに局在するか検討した。その結果、この融合蛋白は分泌顆粒内に局在するのが観察された。 以上の結果をまとめると、(1)CgA分子が分泌顆粒に蓄積されるためには、アミノ末端側の40残基からなる部分が必要であり、(2)本来細胞質に局在する蛋白であっても、このCgA分子アミノ末端側の40残基からなる部分が付加されれば、分泌顆粒内に局在が変更されるということが明らかにされた。これらの所見から、CgA分子アミノ末端側の40残基からなる部分は分泌顆粒への局在シグナルとして機能している可能性が強く示唆された。 以上の研究成果の一部は、第101回解剖学会総会(1996年4月、福岡)で報告した。
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