Project/Area Number |
07770033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原田 伸透 九州大学, 医学部, 助手 (90264043)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 脳虚血 / GABA_A受容器 / 細胞内ATP / カルシウムイオン / 海馬CA1錐体ニューロン |
Research Abstract |
虚血に最も脆弱性を示すラット海馬CA1領域により錐体ニューロンを急性単離し、実験的虚血が単一細胞レベルの抑制性GABA_A受容器応答(I_<GABA>)に与える影響をニスタチン穿孔パッチクランプ法を用いて調べた。無グルコース外液、100%N2飽和外液、無グルコース100%N2飽和外液の灌流により、いずれの場合においてもI_<GABA>の振幅は経時的に減少(ランダウン)した。パッチ電極内のNa^+濃度を10、30、60、100mMと増加させてNa-Kポンプを活性化し、細胞内ATPの消費を促進させると、I_<GABA>のランダウンはより顕著になった。ウアバインを用いてNa-Kポンプを抑制された。これらの結果は、I_<GABA>の維持が細胞内ATPに依存していることを示唆している。Indo-1を用いたCa^<2+>測光により、虚血下で細胞内Ca^<2+>濃度が上昇し、I_<GABA>のランダウンと正の相関を示すことが判明した。しかしシングルチャンネル解析の結果、I_<GABA>が細胞内Ca^<2+>濃度上昇には影響を受けずに細胞内ATP濃度の減少により消失したことから、虚血下での細胞内Ca^<2+>濃度上昇は副次的な現象で、I_<GABA>のランダウンとは直接関係がないものと考えられた。これらは現在J.Physiol.(Lond.)に投稿中である。また虚血実験の一環として興奮性アミノ酸受容応答(NMDA応答)を解析した。単離したラット黒質ニューロンにNMDAを投与すると、NMDA受容器を介したCa^<2+>流入に伴って細胞内Ca^<2+>濃度が上昇した。その上昇は虚血条件下では著明に遷延化し、回復には数分を要した。 以上の研究により、虚血条件下で細胞内ATP濃度が減少し、抑制性神経伝達物質のGABA応答が阻害されて過剰興奮が助長されること、および細胞内Ca^<2+>をめぐるホメオスタシスが容易に破綻することが明かになった。
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