Project/Area Number |
07770042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental physiology (including Physical medicine and Nutritional physiology)
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
大日向 浩 旭川医科大学, 医学部, 助手 (20233257)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 白色脂肪組織 / ガングリオシド / 寒冷馴化 / 拘束ストレス / 細胞増殖 |
Research Abstract |
白色脂肪組織(WAT)は体内の過剰エネルギーを主にトリグリセリドの形で貯蔵し、常にその分解と合成を繰り返しつつ、必要に応じて再びエネルギーを他の組織へ供給する代謝活性の高い組織である。近年、細胞増殖や機能を調節すると指摘されている糖脂質ガングリオシドが、WATの機能変化や増殖に対してどの様な役割を果たすかを知るため、様々な環境刺激下でのWATガングリシドをラットで調べた。5℃で飼育した寒冷群、毎日3時間金網で木板に固定した拘束群、過食として25%蔗糖水を飲料水として与えた蔗糖群及び各対照群、という3つの実験条件を4週間施したラットの副睾丸周囲WATを摘出し、HPTLCによるガングリオシド定量とDNA量測定を行った。その結果:1.寒冷群と拘束群ではWAT重量は減少し、蔗糖群では増加したが、WAT-DNA量から見た組織増殖はどの実験群でも認められなかった。2.全群においてWATの主要なガングリオシドはG_<M3>であり、他は検出感度以下であった(ガングリオシドの質的変化は認められない)。3.組織DNA量あたりのG_<M3>レベルは寒冷群と拘束群で有意に減少し、蔗糖群では変化しなかった。 ラットにおける別の脂肪組織-褐色脂肪組織でも主要なガングリオシドはG_<M3>が、寒冷群で増加、拘束群で減少する事から、本研究のWAT-G_<M3>レベルの変化が組織特異的である事が示唆された。一般的に、G_<M3>による上皮性細胞増殖因子(EGF)受容体機能調節が知られているが、このEGFがラット新生児の白色脂肪細胞前駆体の分化を阻害し成熟脂肪細胞数を減少させるという報告があり、本研究でのG_<M3>の変化の結果と合わせると興味深い。以上の結果より、BATと同様にWATに存在するガングリオシドG_<M3>の量的変化が両組織において特有の調節機能を担っている可能性が示唆され、作用機構の点からさらに検討が必要であると考えられる。
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