Project/Area Number |
07770054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental physiology (including Physical medicine and Nutritional physiology)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
内田 さえ (財)東京都老人総合研究所, 自律神経部門, 研究助手 (90270660)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 加齢変化 / 排尿機能 / シストメトリー / 骨盤神経 / ラット |
Research Abstract |
高齢者における排尿機能の低下の原因として、膀胱平滑筋自体の性質の変化や排尿を調節する自律神経機能の低下などが考えられる。本研究では、膀胱機能とその自律神経性調節機構の加齢変化を明らかにすることを目的とした。 成熟ラットと老齢ラットを用いて、(1)シストメトリー法による膀胱容量と内圧の関係、(2)膀胱平滑筋に及ぼす骨盤神経遠心性線維刺激の効果、(3)膀胱内容量及び内圧増加による骨盤神経求心性線維の反応を比較した。 その結果、(1)シストメトリーの記録:老齢ラットでは同じ容量を加えた際の膀胱内圧の上昇程度が成熟ラットに比べて有意に低かった。例えば内圧200mmHgの際の膀胱容量は成熟ラットの約6倍に増加していた。排尿収縮出現時の膀胱内圧には加齢による差は認められなかったが、老齢ラットでは排尿収縮の振幅が小さかった。(2)遠心性神経刺激による膀胱内圧の変化:骨盤神経遠心性神経刺激による膀胱内圧増加の大きさはいずれの膀胱容量時も老齢ラットにおいて低下していた。この結果から、老齢ラットでは骨盤神経からの伝達物質放出の減少している可能性や、排尿筋の受容体の感受性の変化している可能性が考えられる。(3)求心性神経活動の記録:膀胱内圧に対する求心性神経活動の反応性は老齢ラットにおいてもよく保たれていたが、膀胱容量の増加に対する反応性は老齢ラットで低下していた。老齢ラットの膀胱では容量あたりの内圧の増加度が低下しており、膀胱内圧に対する感受性は不変のため、容量増加に対する骨盤神経求心性線維の反応性が低下していると考えられる。 以上の結果から、加齢により膀胱容積の著しい増加、骨盤神経遠心性神経刺激による膀胱収縮力の低下、さらに膀胱容量に対する骨盤神経求心性線維の反応性の低下が明らかとなった。これらの変化は高齢者における残尿量の増加、排尿速度の減少などに関与している可能性がある。
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