発生:分化におけるアスパラギン結合型糖鎖の制御機構とその意義
Project/Area Number |
07770101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井原 義人 大阪大学, 医学部, 助手 (70263241)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | N-グリカン / N-アセチルグルコサミン転移酵素V / 遺伝子発現 / 糖鎖 |
Research Abstract |
N-アセチルグルコサミン転移酵素V(GnT-V)はN-グリカンの分枝構造の決定に関与する糖鎖生合成酵素であり、本酵素により合成されるb1-6分枝構造は癌細胞の転移性の獲得などに伴うその構造の増加などの点から注目されている。平成7年度はGnT-V遺伝子の発現制御機構を明らかにするためヒトGnT-Vの遺伝子構造の解析および遺伝子発現プロモーターの検索を行った。われわれが得たヒトGnT-VcDNAをプローブとして、ヒト末梢血ゲノムDNAライブラリーをスクリーニングすることにより、12個のクローンを分離した。解析の結果、ヒトGnT-Vのタンパク翻訳領域はexon2からexon17の16個のエクソンより成り、2番染色体に約150kbpにわたって存在することが明らかとなった。GnT-Vのタンパク翻訳開始点を決定するため、各種の癌細胞株(神経芽細胞腫のGOTO細胞、大腸癌のCoIo201細胞、胆管癌のHuccT1細胞)のmRNAを鋳型として5′-RACEを行った。解析の結果、GnT-V遺伝子が5′-非翻訳領域のalternative splicingにより細胞特異的な多重プロモーターにより制御されている可能性が示唆された。さらに、HuccT1細胞から得られた結果より、exonlの上流およびintronlがGnT-V遺伝子のプロモーターとして機能している可能性を見い出した。今後、GnT-Vの遺伝子転写制御部位の検索、解析をさらに進めることにより癌細胞の転移性獲得などの悪性化にともなう発現メカニズムの解明を行い、N-グリカン枝分かれ糖鎖構造の癌性変化における生理的意義を明らかにしていく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)