Project/Area Number |
07770108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮崎 章 熊本大学, 医学部, 助手 (70253721)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 動脈硬化 / マクロファージ / 泡沫細胞 / スカベンジャー受容体 / 細胞増殖 / 酸化LDL / リゾリン脂質 |
Research Abstract |
我々は、in vitroにおいて酸化LDLによりマクロファージが増殖すること、および酸化LDL中のリゾリン脂質が重要であることを明らかにしている。そこで平成7年度は、この現象におけるスカベンジャー受容体の役割、および増殖へ至る細胞内情報伝達機構に関する検討を行い以下の結果を得た。 1)酸化LDLはマウス腹腔マクロファージだけではなく、ヒト末梢血単球由来マクロファージに対しても増殖を誘導した。これらの結果から、酸化LDLによるマクロファージ増殖作用は、動物の種差やマクロファージの分化や起源によらず、マクロファージ一般に起こる現象であることが明らかとなった。 2)酸化LDLによるマクロファージ増殖はスカベンジャー受容体のリガンドであるマレイルBSAによる有意に抑制された。このとき酸化LDLおよびリゾリン脂質のスカベンジャー受容体を介した特異的取り込みも有意に抑制された。またスカベンジャー受容体ノックアウトマウスの腹腔マクロファージの増殖は野生型マクロファージの増殖に比較して有意に低かった。これらの結果から、酸化LDLによるマクロファージ増殖作用にはスカベンジャー受容体を介したリゾリン脂質の細胞内への特異的取り込みが重要であることが明らかとなった。 3)リゾリン脂質に構造が類似した物質(血小板活性化因子(PAF)、リゾPAF、ホスファチジン酸およびリゾホスファチジン酸)ではマクロファージ増殖は全く誘導されなかった。この結果はリゾリン脂質でのみ特異的にマクロファージ増殖を誘導することを示しており、リゾリン脂質を特異的に認識する受容体の存在、あるいはリゾリン脂質が直接情報伝達経路に作用する可能性が示唆された。
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