マスト細胞の発生過程におけるGATA転写因子の発現
Project/Area Number |
07770150
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
實寳 智子 大阪大学, 医学部, 助手 (70252658)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | マスト細胞 / 細胞増殖 / 細胞分化 / 発生 / 転写因子 / GATA配列 / in situハイブリダイゼーション / マスト細胞欠損マウス |
Research Abstract |
本研究の目的はマウスの胎児あるいは新生児の組織のマスト細胞におけるGATA転写因子およびマスト細胞の分化マーカーとなる遺伝子の発現を調べることでマスト細胞の増殖分化およびその機能におけるGATA転写因子の役割を検討することである。C57BL/6マウス同士を交配して、胎生14から19日と生後1,5,10日の個体の皮膚を採取してRNAを抽出してGATA-1,GATA-2をプローブとしたノザンハイブリダイゼーションを行った結果、GATA-2は胎生15日から17日にかけて発現が強く認められたがGATA-1はいずれの場合も発現が認められなかった。次にGATAの発現が組織中のマスト細胞でおこっているかどうかを確認するためにマスト細胞を欠損するミュータントマウスであるW/Wマウス、S1/S1マウスの皮膚におけるGATA-2の発現を、感度の高いRT-PCRを用いて調べた。正常マウスの皮膚ではGATA-2を発現していたがW/WマウスとS1/S1マウスの皮膚では発現がみとめられなかったのでGATA-2の発現はマスト細胞に特異的であると考えられた。さらにin situハイブリダイゼーションを行った結果、皮膚ではマスト細胞の増加する胎生15から17日までのあいだにマスト細胞におけるGATA-2の発現率が高かった。またGATA-2を強く発現している培養マスト細胞をマウスの腹腔内に注射するとS期の細胞の比率が減少してマスト細胞が増加しなくなるとGATA-2の発現も低下することがわかった。次にマスト細胞の分化マーカーであるマスト細胞カルボキシペプチターゼA(MC-CPA)遺伝子と高親和性IgEレセプター蛋白をコードするFcεRI遺伝子の発現をRT-PCRを用いて調べた結果、マスト細胞の出現する胎生14日以降生後10日のマウスの皮膚においてずっと発現がみとめられた。GATA-2の発現は胎生15から17日までのみなのでin vivoではGATA-2によってMC-CPAとFcεRI遺伝子の発現が制御されているわけではないと考えられた。以上の結果よりGATA-2はマスト細胞の増殖する時期にのみ発現して重要な役割をはたしていることが明らかとなった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)