ヒト癌細胞の増殖に伴うプラスミノーゲン・アクチベータ-及びインヒビターの発現
Project/Area Number |
07770157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
丸塚 浩助 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (00239154)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 癌細胞 / 転移 / 凝固・線溶 / プラスミノーゲン・アクチベータ- / インヒビター / 細胞増殖 / フィブリン |
Research Abstract |
転移過程で脈管内を移動する際の癌細胞の増殖状態及びその周囲の凝固・線溶の状態を検討するために、担癌剖検例の脈管内に浮遊する癌細胞集簇を有する病理標本においてフィブリン及び増殖過程に発現する増殖細胞核抗原(PCNA)の二重染色を行った。フィブリンはPCNA陰性の癌細胞周囲に陽性像を示したが、PCNA陽性細胞の周囲にはフィブリンは認められず、増殖過程の癌細胞周囲の微小環境は線溶に、増殖停止状態のそれは凝固に傾いていることが示唆された。これらを左右する因子としてプラスミノーゲン・アクチベータ-(ウロキナーゼ型:uPA、組織型:tPA)及びそれらのインヒビター(PAI-1,-2)の産生を検討するため、各種ヒト癌細胞(大腸癌細胞株:RCM-1,L10,CoCM-1,WiDr、腎癌細胞株:MRT-1,SN12C-PM,SN12C-Clone8、線維肉腫細胞株:HT1080)の増殖曲線の各期の培養上清中の抗原量をEIA法にて測定した。すべての細胞株ともuPAとPAI-1もしくはPAI-2を産生しており、uPAは対数増殖期早期に細胞あたり最も多く産生され、遅延期・定常期には少ない傾向が認められた。PAI-1,2に関しては遅延期に最も多く産生され、増殖と共に減少する傾向にあった。tPAでは増殖とは一定の関係を見出せなかった。これらuPA及びPAIの産生に細胞密度との関係が考えられたが、対数オーダーの細胞密度において細胞あたりの産生に差異は認められなかった。4種の因子をすべて産生するMRT-1とHT1080についてハイドロキシウレアを用いて同期培養させると、S期に同調してuPAを産生し、細胞数と反比例してPAI-1の産生が減少する傾向が認められた。tPAとPAI-2はこれらの細胞株において細胞周期との関係は見出せなかった。これらより、癌細胞周囲の微小環境は増殖に伴うuPA及びPAIの産生量の変化に伴って変化し、また、癌細胞表面における凝固系が関与し、転移過程における免疫からの回避及び浸潤・増殖に有利に働くものと推定された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)