Project/Area Number |
07770169
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
加藤 珠実 日本大学, 医学部, 助手 (70224516)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | トランスジェニックマウス / C型肝炎ウイルス / メチル化DNA / 5-アザシチジン |
Research Abstract |
クローニングした日本株HCV-Nの非翻訳領域を含む全長遺伝子約9.4kb、或いは構造蛋白であるコア、エンベロープを含む部分遺伝子3.8kbをアルブミン、またはSR_αプロモーターの制御下に組み込んで導入遺伝子を作製し、マウス受精卵に注入してHCV遺伝子を導入したトランスジェニックマウスの作製を試みた。その結果、全長遺伝子については、アルブミンプロモーター制御下で19ライン、SR_αプロモーター制御下で9ライン、合計28ラインのトランスジェニックマウスを得ることに成功した。一方、3.8kb部分遺伝子については、アルブミンプロモーター制御下に導入した3ラインのマウスが得られたが、肝臓、腎臓など、主な臓器における導入遺伝子発現は認められなかった。そこで、各臓器における導入遺伝子のメチル化をメチル化感受性の制限酵素消化により調べたところ、3ラインのマウスのいずれにおいても導入遺伝子が高度にメチル化を受けていることがわかった。これらのマウスに脱メチル化剤である5-azacyti dineを投与するとHCV遺伝子の発現が観察されることから、トランスジェニックマウスでHCV遺伝子が発現しない理由として直接メチル化が関与していることが明かとなった。全長遺伝子導入マウスについては、外来遺伝子導入の際一般に導入コピー数の多いものはメチル化による不活性化を受け易いことから少ないラインよりF1を作製し、9ライン15匹の解析を行なったが、導入遺伝子の発現は確認されなかった。メチル化解析の結果、これらのマウスにおいても導入遺伝子が高度にメチル化されていることが明かとなった。DNAのメチル化は、遺伝子発現制御機構の一つであり、genomic imprintingや、外来遺伝子の発現抑制にも深く関与しており、もともとHCV遺伝子には、メチル化のターゲットとなるCpG配列が数多く含まれることから、in vivo. in vitroにおけるHCVの遺伝子発現には、この配列の存在を考慮する必要があるのかもしれない。現在、脱メチル化剤によるこれらのマウスでの導入遺伝子発現を試みると同時に、残りのラインについても導入遺伝子の発現の有無を調べている。今後は、脱メチル化剤誘導によるものも含む導入遺伝子の発現が観察されたマウスについて、HCV抗原、或いはウイルス産生の有無を調べ、C型肝炎の動物モデル系としての可能性を検討する予定である。
|