疣贅状表皮発育異常症に伴う皮膚がんにおけるヒトパピローマウイルス遺伝子発現の解析
Project/Area Number |
07770178
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
清野 透 愛知県がんセンター, ウイルス部, 室長 (10186356)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 疣贅状表皮発育異常症 / 扁平上皮癌 / SCIDマウス / 47型ヒトパピローマウイルス / E6 |
Research Abstract |
疣贅状表皮発育異常症(EV症)に伴う皮膚がんや、子宮頸がん発生における最大の危険因子は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染であると考えられている。我々はEV症皮膚がんの、SCIDマウスへの移植を試み成功した。SCIDマウスで増殖した皮膚がん細胞は、組織学的に原発巣の特徴を維持しており、現在まで34ヶ月、10代に渡り継代している。これらのがん細胞には、原発巣と同様47型HPV DNAが複製維持されている。ウイルスDNA量は継代により多少変動するものの細胞当り10^<2-4>コピーの範囲で維持されていた。これらの細胞中におけるウイルス遺伝子の発現をRNAレベルで調べたところ、主たるウイルスmRNAは2.3kbおよび1.4kbであり、それぞれ、E6蛋白、E7蛋白の産生を担っていることが示唆された。 さらに、SCIDマウスを経由して各継代より同皮膚がん培養細胞株の樹立にも成功しているが、株化によりウイルスDNAの存在様式は大きく変化しないものの、細胞当たりのコピー数は減少することが分かった。これらの培養細胞株にCa^<2+>、TPAにより分化誘導したが、ウイルスDNAのコピー数は変化しなかった。分化程度の異なるがん細胞間でウイルスDNAのコピー数が異なるか否かを検討するため、in situハイブリダイゼーションを行なった。これまで、高分化細胞においてウイルスDNAのコピー数が高くなる傾向を観察した。 以上の実験結果から、EV症由来皮膚がん細胞におけるHPV遺伝子の発現を転写レベルで明らかにした。特に、in vitroでトランスフォーム活性を担うE6遺伝子が、in vivoのがん細胞においても発現しており、E6遺伝子がウイルスのがん原性、がん細胞の維持に必要であることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)