新世界の皮膚リーシュマニア症における細胞応答と遺伝支配
Project/Area Number |
07770187
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
寄生虫学(含医用動物学)
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
熊谷 正広 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00271304)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | Leishmania amazonensis / 皮膚リーシュマニア症 / Th1 / Th2細胞応答 / H-2遺伝子支配 / 感染抵抗性 / IFN-γ / IL-4 |
Research Abstract |
本研究は、新世界の皮膚リーシュマニア症の病原体のひとつであるLeishmania amazonensisの感染に対する治癒機転について、その遺伝支配とT細胞による免疫応答性を明らかにすることを目的とした。まず、遺伝支配に関してはH-2型に注目し、B10系のコンジェニク・マウスの背部皮膚にL. amazonensisを接種し、皮膚病巣の進展を経時的に計測したところ、B10(H-2^b)が非治癒型であるのに対してB10S(H-2^S)は治癒型であり、宿主の治癒能がH-2遺伝子に支配されていることを確認した。次に、この治癒能とTh1あるいはTh2細胞応答との関連を明らかにするために以下の実験を行なった。1.宿主のリンパ球のIFN-γおよびIL-4の産生をin vitroで調べた。B10とB10Sの臀部のリンパ節細胞と脾細胞を源虫抗原で刺激して安定した増殖応答がみられる液体培養系を確立し、上清中のIFN-γとIL-4をELISAで測定した。IFN-γ量は感染後の時期によって異なり、今のところ一定の結果は得られていない。IL-4は抗原の1次刺激のみではすべて1ng/ml以下で両マウスの間に差は認められなかった。2.Th2サイトカインの産生量をIgE産生を指標として検討した。感染後IgE値はB10では増加するのに対しB10Sでは増加が認められず、B10ではTh2が、B10SではTh1が優位となっていることが推測された。本研究の結果は、感染宿主の治癒能がH-2遺伝子に関連しないというL. majorによる知見と異なるものであり、宿主の治癒能とTh1/Th2細胞応答とH-2遺伝子支配との関連を想定させる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)