腸炎ビブリオの持つ菌体結合赤血球凝集素(cHA)の腸管定着因子としての解析
Project/Area Number |
07770196
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永山 憲市 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (80263309)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 定着因子 / 腸管上皮細胞 / 赤血球凝集素 |
Research Abstract |
1、現在までにcHAの分離精製に成功し、すでにタンパク側からの解析は詳細におこなわれているので、これを基盤としてcHAタンパクのN-末端アミノ酸構造を解析した。このN-末端アミノ酸構造よりoligonuculeotide probeを作成した。このDNAプローブを用いることにより、cHA構造遺伝子のクローニングを行なう準備が整った。 2、下痢と腹痛を主症状とした急性胃腸炎で腸炎ビブリオが便から分離され、心臓毒性を有するTDHによるものと思われる心原性ショックを併発した患者の血清中に、cHAに対する抗体が存在していることをcHA特異的ELISAを用いて証明した。このことはcHAタンパクが実際に患者の腸管内あるいは体内の腸炎ビブリオで発現、産生され、抗体獲得のための抗原性を有していることを意味するものと考えられる。 3、腸炎ビブリオの細胞侵入性についてCaco-2培養細胞を用いて検討した。旅行者下痢症患者から分離された腸炎ビブリオ(TDH^+cHA^+ 4株、TRH^+cHA^+ 2株、TDH^+cHA^- 3株の計9株)を用いた。結果として腸炎ビブリオ菌株中、cHA^+6株は生存菌数×100/接種菌数(%)が1.7〜4.2%を示し侵入性を有すると考えられたがcHA^-株の3株は0.01〜0.05%と非常に低い数値を取り、細胞侵入性は認められなかった。以上より、cHAは定着に重要な役割を果たすだけではなく、細胞侵入にも関与している可能性が示唆された。腸炎ビブリオの感染ステップは腸管上皮細胞に定着後TDHやTRHの蛋白毒素を菌体外に分泌し、それらが病原性発現に重要な役割を担っていると考えられるが、cHAを介して腸管上皮細胞に定着した後、侵入するという病原ステップも考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)