Project/Area Number |
07770223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Virology
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
飯塚 成志 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (30222821)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | インフルエンザウイルス / 酵母 / 発現 / 転写 / 蛋白質合成 |
Research Abstract |
本年度の当初の目的はインフルエンザウイルス感染に伴うmRNAの構造変化を調べ、蛋白質合成に与える影響を調べることであった。研究計画調書に記載通り、培養細胞を用いて実験系を確立しmRNAを解析したが、動物細胞由来の実験系ではポリAの構造変化を追うことが難しく、また関与するウイルス蛋白質および宿主側因子を同定する実験は既存の技術では困難であることが明かとなった。 そこで、この実験系を一歩進め、生化学的、遺伝学的両側面からの解析を可能とするために、酵母実験系の導入を計った。具体的には、ウイルス蛋白質と既存の宿主因子を酵母で発現し、インフルエンザウイルスの複製、転写、翻訳過程を酵母細胞で再現するための実験を行なった。本年度の成果は以下の通りである。 1 酵母のmRNAはインフルエンザウイルス転写のプライマーとなりえないキャップ-0構造である。そこで、酵母細胞内で2′-O-メチルトランスフェラーゼを発現することにより酵母mRNAを動物細胞型のキャップ-1構造に転換することを試み、これに成功した。さらに、この転換がなされたときのみmRNAがインフルエンザウイルスの転写プライマーとなることを試験管内系で示した。 2 鋳型RNAを酵母に導入する系をエレクトロポレーション法などにより確立した。 3 複製、転写に関与する4つのウイルス蛋白質を酵母細胞内で発現した。細胞あたり10から100分子程度の発現が認められた。 上記の実験系を組み合わせてウイルス蛋白質、宿主因子、鋳型RNAを同時に発現することにより、ウイルス複製過程を酵母で再現するための実験系を樹立する素地はできたと考える。
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