IL-1非応答性突然変異株の分離とその変異を相補するcDNAのクローニング
Project/Area Number |
07770237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
久野 耕嗣 金沢大学, がん研究所, 助手 (40242565)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | インターロイキン1 / シグナル伝達 / NFκB / IκB |
Research Abstract |
IL-1非応答性突然変異株の分離とその変異を相補するcDNAのクローニングのプロジェクトについては、研究計画に従って、変異株の分離のための親株となるIL-1応答性安定細胞株を作成中である。今後、目的のIL-1応答性安定細胞株が樹立されしだい、IL-1非応答性突然変異株の分離とIL-8遺伝子活性化に必須に関与するシグナル伝達因子のcDNAのクローニングを試みる予定である。 一方、IL-8やIL-6をはじめとする多くのIL-1誘導性遺伝子の発現制御には、転写因子NFκBの活性化が中心的な役割を果たしているが、我々の研究グループでは、上記のプロジェクト以外に、直接NFκBの活性化に関与するシグナル伝達因子の同定を試みている。NFκBは、未刺激の細胞では阻害因子IκBと複合体を形成して不活性型として細胞質に保持されており、IL-1,TNF等による刺激後、IκBαのリン酸化と分解による不活性化の後、NFκBは核へ移行し、標的遺伝子のプロモーターに結合してその転写を促進することが知られている。しかしIκBαを直接リン酸化するプロテインキナーゼはいまだ確立されていない。また最近、JNK(Jun N-terminal kinase)などの重要なシグナル伝達因子は、基質と会合するプロテインキナーゼとして同定されている。そこで我々はGST-IκBα融合タンパクを用い、GST-IκBαとタンパク因子を会合させたのちin vitro kinase reactionを行う系で解析を行った。その結果、ヒト単球系細胞株THP-1の細胞抽出液中にIκBαに特異的に会合してリン酸化する、IκBα会合キナーゼを同定した(Kuno K.et al.,1995)。また種々のGST-IκBαの部分欠損変異体およびアミノ酸置換体を用いた実験の結果から、IκBα会合キナーゼはIκBαのC末端領域の酸性ドメインと相互作用し、同酸性ドメインのSer/Thr残基をリン酸化することが明らかとなった。さらにIκBαのC末端酸性ドメインに対応するペプチドおよびそのアミノ酸置換体を基質としたin vitro kinase reactionの実験から、Ser-293が会合キナーゼによるIκBαにおける主なリン酸化部位であり、Ser-288とThr-291が弱いリン酸化部位であることが明らかとなった。またIκBα会合キナーゼ活性は、THP-1細胞をLPSで刺激した場合、一過性に増強された。我々の研究室では先にTHP-1細胞抽出液を用いたcell-free系でのLPS刺激によるNFκB活性化assayを開発している(Ishikawa Y.et al.,1995)。IκBα会合キナーゼによるリン酸化部位であるIκBαのC末端酸性ドメインのペプチドは、このcell-free系での実験において、LPSによるNFκB活性化を抑制することがわかった。以上の結果からIκBα会合キナーゼによるIκBαのC末端酸性ドメインのリン酸化が、少なくともcell-free系においてはLPS刺激によるNFκB活性化すなわちIκBαの不活性化に重要であることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)