Project/Area Number |
07770248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
反町 典子 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究部門, 研究員 (30217468)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | がん / 転移 / 細胞内情報伝達 / 血管内皮細胞 / リンパ腫 / 接着 / FK506 |
Research Abstract |
リンパ腫細胞が臓器へ転移する過程で、リンパ腫細胞は血管内皮細胞へ接着し、内皮細胞間隙を通過して組織へと移行する。この接着に関与する種々の接着分子が同定されてきたが、接着した後の血管外浸潤の詳細な分子機構は明らかではない。本研究では、マウス培養血管内皮細胞株KOP2.16細胞とヒトリンパ腫細胞株Nalm-6細胞を用いて、がん細胞の血管外浸潤の分子機構を解析するためのin vitroモデルシステムを樹立し、このモデル系と種々の細胞内情報伝達系の阻害剤を用いて、リンパ腫細胞の血管外浸潤に重要な細胞内因子の同定を試みた。その結果、リンパ腫細胞のPI3キナーゼ、ミオシン軽鎖キナーゼ、3量体Gタンパク質、低分子量Gタンパク質rhoが血管外浸潤に重要な役割を果たすことを明らかにした。さらに、血管内皮細胞のPI3キナーゼ、ミオシン軽鎖キナーゼが重要であることを示した。このことは、血管内皮細胞は単純なバリアーではなく、PI3キナーゼ、ミオシン軽鎖キナーゼの活性を介して能動的にリンパ腫細胞の血管外浸潤を媒介していることを強く示唆しており、血管内皮細胞のこれらのキナーゼ活性を抑制することによってリンパ腫細胞の臓器浸潤が抑制される可能性が考えられた。 また私たちは、免疫抑制剤として頻用されるFK506によってリンパ腫細胞の血管外浸潤が効果的に抑制されることを見いだした。FK506による血管外浸潤の抑制はリンパ腫細胞および血管内皮細胞のカルシニューリン活性の抑制を介していることを明らかにした。さらに、SCIDマウスを用いたin vivoのリンパ腫転移実験においても、FK506はリンパ腫の骨髄、脾臓への転移を有意に抑制した。これらの知見はがん転移の予防法の樹立に役立つことが期待される。
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