Project/Area Number |
07770254
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hygiene
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横井 克彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (10200883)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 亜鉛欠乏症 / アンギオテンシン変換酵素 / 亜鉛効果 / 全肺中総ACE活性値 / 潜在性亜鉛欠乏症 |
Research Abstract |
亜鉛栄養指標の開発と応用 現在臨床で汎用されている血清ないし血漿亜鉛濃度は、検出感度が低く、血清(血漿)亜鉛の著明な低下はむしろ亜鉛欠乏症の症状発生の後であり、潜在的亜鉛欠乏症の診断はできない。申請者は、亜鉛安定同位体ならびに誘導結合プラズマ質量分析装置を用い亜鉛消失速度定数を測定する方法を考案し、血漿亜鉛と比較した結果、より鋭敏な指標であることを明らかにしたが、装置や高度の分析技術を要するため、臨床での利用は現時点では難しい。 アンギオテンシン変換酵素(ACE)は亜鉛酵素として知られ、一般にその活性は亜鉛の摂取状態を反映すると言われているが、低亜鉛摂取によりACE活性が上昇するという報告もある。そこで、3周令のWistar系ラットを、飼料中Zn濃度が0〜21mg/kgの範囲で8群(各群8〜11匹)に分けて3週間飼育し、血漿及び肺組織中のACE活性を測定した。体重及び肺重量は飼育中Zn濃度が9〜12mg/kgでbreak pointを示した。血漿ACE活性は飼料中Zn濃度が低いもの程より高値をとった。Zn添加によるACE活性の上昇(亜鉛効果Zneffect)は、血漿では飼育中Zn濃度が低いほど顕著になる傾向が見られたが、個体差が大きく必ずしも鋭敏な指標ではないと推察された。肺1g当たりのACE活性は、飼料中亜鉛濃度が9mg/kg以下で用量依存性に低下したが、全肺中総ACE活性値(肺重量とACE活性値の積)は、肺重量と同様、飼料中Zn濃度の上昇と共に増加したが、9mg/kg以降一定となった。以上の結果より、低亜鉛飼料の摂取により成長が遅延し、低体重、肺重量の低下を生ずるが、アンギオテンシン変換酵素は、他の構成成分に比較してより保存され、総量は低下するが、濃度はむしろ上昇することが明らかとなった。飼料中亜鉛濃度と血漿亜鉛飽和率の間には、著明な用量-反応関係が認められたが、break pointは体重増加量とほぼ一致しており、体重増加量と飽和率はほぼ平行していた。生化学指標による潜在性亜鉛欠乏症の診断には、更に検討を要することが示唆された。
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