Project/Area Number |
07770291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
新野 直明 昭和大学, 医学部, 講師 (40201686)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 高齢者 / うつ状態 / ヘモグロビン / コレステロール |
Research Abstract |
同一の軽費老人ホームに居住し生活環境がある程度共通している高齢者50名を対象に、身体機能、身体的健康状態およびうつ状態について調べ、各身体的要因とうつ状態の関係を検討した。身体的要因としては、治療中疾病、使用薬剤、血液検査、血圧、ADL、握力を調べた。老人用に開発された自記式抑うつスケールであるGeriatric Depression Scale (GDS)の日本語版により評価した。 実際に調査できたのは36名(男性11名、女性25名、平均年齢80.9±5.3歳)であった。身体的要因の調査結果を2群にわけ、うつ状態の有無(GDS得点≧11の場合、うつ状態有りと評価した)との関係をχ^2検定で調べたところ、5%水準で有意な関係があったのは血中ヘモグロビン濃度(Hb)のみで、Hbが低い人にうつ状態の割合が高かった。血液検査の測定値とGDS得点の相関についても、Hbのみ有意な負の相関を示した(γ=-0.46、p=0.01)。 さらに、ロジスティック回帰分析により、要因相互の影響を考慮した場合の身体的要因とうつ状態の関係を調べたところ、有意な関連を示す要因はなかったが、やはりHbが低いとうつ状態が多い傾向は認められた(p<0.1)。 ついで、最初の調査実施後10か月めにうつ状態について再度調査し、初回調査時の身体的要因との関係を調べた。その結果、血中コレステロール(cho)の低い人、およびHbの低い人に10か月後のうつ状態が多い傾向がみられた(p<0.1)。 低コレステロール血症、低酸素状態が高齢者のうつのリスクファクターとなる可能性は、これまでにも指摘されている。本研究は、規模が小さく、十分に有意な結果は得られていないが、同様の可能性を示唆するものと考えられる。
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