芳香族ニトロ化合物によるメトヘモグロビン血症を悪化させるアルコールの作用点の解明
Project/Area Number |
07770305
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
吉田 俊明 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 研究員 (00201856)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 高速液体クロマトグラフィー / 芳香族ニトロ化合物 / メトヘモグロビン / 赤血球 / グルタチオン / ラット / エタノール |
Research Abstract |
芳香族ニトロ化合物曝露後のエタノールの摂取が、メトヘモグロビンの生成系および還元系に及ぼす影響を調べ、飲酒による芳香族ニトロ化合物中毒症状の悪化の原因解明を試みた。 実験動物にラットを用い、芳香族ニトロ化合物(p-クロロニトロベンゼン)投与後一定量のエタノールを投与し、1時間後採血して、血球中スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)活性、グルタチオンパーオキシダーゼ活性、カタラーゼ活性(以上、メトヘモグロビン生成を抑制する酵素系)、NADH-チトクロームb5レダクターゼ活性、アスコルビン酸量(酸化型、還元型)、グルタチオン量(酸化型、還元型)(以上、生成したメトヘモグロビンを還元する系)の測定を試みた。 このうち、血球中グルタチオンの酸化型(GSH)と還元型(GSSG)の正確な分離定量は、従来の方法では困難であり、まず、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による血球中酸化型および還元型グルタチオンの同時定量法を確立した。GSHおよびGSSGは、標準添加法により測定した。血液を1,10-フェナントロリンを含む容器に採取し、ただちに遠沈した。分離した上清を除去し、赤血球に一定濃度のGSHおよびGSSGの標準水溶液を加えて溶血した。メタリン酸で除蛋白した後、その上清にヨード酢酸を加えGSHのSH基を保護した。さらに、2,4-ジニトロフルオロベンゼンを加えてGSHおよびGSSGをそれぞれN-(2,4-ジニトロフェニール)-誘導体とし、イオン交換カラムを用いてUV検出器付きHPLCによりそれぞれ定量した。試料の繰り返し分析における変動係数はGSH、GSSGともに10%以下と、良好であった。また、-80℃におけるメタリン酸除蛋白液中でのGSHおよびGSSG、4℃におけるそれぞれの誘導体の保存性について検討した。いずれの物質も各保存条件で2週間以上安定であった。本定量法は、赤血球におけるGSHおよびGSSGの生理的濃度の定量に十分適用できるものと考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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